2019年2月の大量保有報告書の提出件数は859件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが271件、新規保有が141件、減少が396件、契約の変更などが51件だった。2月は増加と新規の合計(442件)が減少(396件)を46件上回った。
前年同月(2018年2月)の大量保有報告書の提出件数は986件で、このうち増加が302件、新規が160件、減少が455件、変更が69件だった。増加と新規の合計(462件)が減少(455件)を上回ったのは7件であり、前月(2019年1月)同様、買い姿勢が優勢な状況が続いている。
M&A Onlineが提供している「大量保有報告書データベース」で調べた結果、分かった。
提出件数の多かったのは野村証券の64件、三菱UFJフィナンシャル・グループの54件、JPモルガン・アセット・マネジメントの43件の順だった。
野村證券は2月にパイオニア株を4度売り買いし、最終的に保有割合を2.14%増やし12.41%とした。
パイオニアは香港の投資会社であるベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの経営支援を受け、2019年3月31日にベアリンググループの完全子会社となるスケジュールを2019年2月28日に発表した。
さらに野村証券は不良施工問題に揺れるレオパレス21の株式を新規保有し保有割合を5.46%としたとして、2月22日に大量保有報告書を提出した。
レオパレス21については、米国系の投資ファンド・ブラックロック・ジャパンがレオパレス株の保有割合を1.47%引き下げ3.94%にしたほか、米国のタイヨウ・ファンド・マネッジメントも保有割合を1.6%引き下げ4.39%にした。
一方、英国の投資ファンド、オデイ・アセット・マネジメントは3度買い増し、保有割合を3.83%引き上げ、11.04%としている。
話題の企業としては、旧村上ファンド系の投資ファンドであるレノ(東京都渋谷区)の動きが目を引く。米国の投資ファンドであるベインキャピタルと組んで3月12日までTOBを実施している廣済堂の株式を、レノは2月4日に新規で5.83%を保有し、その後、2度買い増し保有割合を9.56%にまで高めている。
この結果、株価が上昇。TOBの公募価格610円に対し、3月1日の株価は734円となっており、TOBの行方が注目される。
ZOZOの前澤友作社長も2月に3度ZOZO株式に関する大量保有報告書を提出した。いずれも保有割合は41.16%で増減の変化はなく、重量な契約の変更(銀行に担保として差し出す株式数の変更)を届け出た。
文:M&A Online編集部
インベスコが日本の株式市場で行っている取引が2016年以降、縮小傾向にあることが大量保有報告書の届け出状況から見えてきた。