日本株の売り買いが縮小傾向にある「インベスコ」ってどんな会社
インベスコが日本の株式市場で行っている取引が2016年以降、縮小傾向にあることが大量保有報告書の届け出状況から見えてきた。
アムンディ・アセット・マネジメントはパリに本社を置く欧州最大の資産運用会社。2009年にフランスを代表する大手銀行のクレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラルの両社の資産運用会社が統合して設立された。
その後2017年には資産運用会社パイオニア・インベストメンツと経営統合し規模を拡大。2018年6月時点の運用資産は約1兆4660億ユーロ(約190兆円)に達する。
グローバル・スコープとローカル・ルーツが同社の指針で、グローバルなネットワークと地域に密着したサービスに重点を置き、対象企業の財務要因に加え、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)のESGを加えた投資姿勢を取っている。
「企業が持続的な成長を実現し、経済的のみならず社会的、文化的な使命を達成するためにはESGへの配慮が必要不可欠」との考えがあるためで、この方針に沿った長期的な基準に基づく判断を行うという。
日本では1971年11月設立された山一投資カウンセリングが源流。1998年にソシエテ ジェネラル投資顧問(現アムンディ・ジャパンホールディング)が山一投資カウンセリングの主要株主となり、2010年にクレディ・アグリコル・アセットマネジメントと、ソシエテ・ジェネラル・アセット・マネジメントが合併して、社名をアムンディ・ジャパンに変更した。
2018年6月時点のアムンディ・ジャパンの運用資産は約5兆2696億円(うち投資信託業約2兆4119億円、投資顧問業約2兆8577億円)に達する。
同社がアムンディ・ジャパンに社名を変更した2010年7月に以降に大量保有報告書を提出したのは22社分。社名変更以前のソシエテ・ジェネラル・アセット・マネジメントが保有していた株式で、保有割合を増やした企業が2社、減らした企業が10社、新規に保有したのが10社あった。
この1年間(2017年10月-2018年9月)の売り買いは3社で、建設の日本基礎技術、輸送用機器のフジオーゼックス、情報・通信のアイネスの3社であった。大量保有報告書の提出状況からはあまり活発な動きは見られない。
アムンディ・ジャパンのローラン・ベルティオ社長は同社のホームページで「東京がアムンディ・グループの主要なグローバル運用拠点の1つである」としており、今後どのような展開を見せるのか。注目したい。
大量保有報告書により分かったアムンディ・ジャパンが保有する株式と保有割合
企業名 | 保有割合(%) | 業種 |
---|---|---|
日本基礎技術 | 5.01 | 建設 |
フジオーゼックス | 5 | 輸送用機器 |
協和エクシオ | 4.66 | 建設 |
山九 | 4.36 | 陸運 |
第一精工 | 4.28 | 電気機器 |
TOWA | 4.07 | 機械 |
アイネス | 4.01 | 情報・通信 |
森永乳業 | 3.97 | 食料品 |
ショーワ | 1.43 | 輸送用機器 |
フォスター電機 | 0.67 | 電気機器 |
文:M&A Online編集部
インベスコが日本の株式市場で行っている取引が2016年以降、縮小傾向にあることが大量保有報告書の届け出状況から見えてきた。