野村證券が「レオパレス」を新規保有 旧村上ファンド系のレノは2カ月連続静観
2019年7月の大量保有報告書の提出件数は861件で、減少が増加と新規の合計を33件上回った。2019年4月以降4カ月連続で減少が増加と新規の合計を上回っており、33件は今年最大の乖離幅となった。
2019年8月の大量保有報告書の提出件数は864件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが252件(構成比29.2%)、新規保有が174件(同20.1%)、保有割合を減らしたのが393件(同45.5%)、契約の変更などが45件(同5.2%)となり、増加と新規の合計が減少を33件上回った。
2019年4月以降、増加と新規の合計が減少を下回っていたが、5カ月ぶりに反転した。前年同期(2018年8月、増加と新規の合計が減少を5件下回った)と比べても反転した。
M&A Online編集部が構築した「大量保有報告書データベース」で集計した。
2018年8月 | 2019年7月 | 2019年8月 | |
増加 | 263 | 228 | 252 |
新規 | 150 | 154 | 174 |
減少 | 418 | 415 | 393 |
変更 | 61 | 64 | 45 |
合計 | 892 | 861 | 864 |
増減 | -5 | -33 | 33 |
増加は株式の保有割合を増やした件数、新規は新たに株式を保有した件数、減少は株式の保有割合を減らした件数。増減は増加と新規の合計から減少を引いた件数 |
【増加と新規の合計から減少を引いた件数の推移】
8月は旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)によるTOB(株式公開買い付け)が不調に終わり、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが新たなTOBによる買い付けを10月1日まで行っている不動産・ホテル業のユニゾホールディングスで活発な動き見られた。
エリオット・インターナショナル・エルピー、いちごアセットマネジメント・インタ-ナショナル・ピ-ティ-イ-・リミテッド、野村證券の3社が新規に株式を保有。
このうち、エリオット・インターナショナル・エルピーは4度買い増し、保有割合を9.9%に高めたほか、いちごアセットマネジメント・インタ-ナショナル・ピ-ティ-イ-・リミテッドも一度買い増し、保有割合を6.64%とした。野村證券の保有割合は5.08%だった。
HISは7月11日にユニゾ株の45%を保有することを目的にTOBを開始したが、TOB開始直後から株価が上昇し、株価が買付価格を上回る高値で推移したため、応募がゼロという結果に終わった。ユニゾはHISのTOBに反対を表明し、敵対的TOBに発展していた。
8月16日には米フォートレスがHISに対抗する形でユニゾが賛同する友好的なTOBを発表したが、こちらも株価が買付価格を上回っており、TOB成立(買付予定数の下限は66.7%)は難しい状況にある。
こうした事態を受けてHISは8月28日に、米投資会社フォートレスによるTOBが不成立となった場合は、新たな買付価格を設定してTOBを実施、もしくは買い増しを検討する可能性があると発表している。
施工不良問題に揺れるレオパレス21については新たなプレーヤーが2社増えた。アルデシアインベンストメントと、モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシーが新規に保有。モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシーは一度買い増し、保有割合を7.81%とした。アルデシアインベンストメントの保有割合は5.27%だった。
一方、野村證券とプリンシパル・グローバル・インベスターズは保有割合を引き下げ、5%を切った。旧村上ファンド系のレノは3カ月連続で動きがなかった。
個人で目を引いたのはZOZOの前澤友作社長。ZOZO株の担保契約で3度変更届を提出した。ZOZO株の保有割合は41.16%で変化はなかった。
文:M&A Online編集部
2019年7月の大量保有報告書の提出件数は861件で、減少が増加と新規の合計を33件上回った。2019年4月以降4カ月連続で減少が増加と新規の合計を上回っており、33件は今年最大の乖離幅となった。
アムンディ・アセット・マネジメントはパリに本社を置く欧州最大の資産運用会社で、2018年6月時点の運用資産は約1兆4660億ユーロ(約190兆円)に達する。