未来への羅針盤

日清製粉グループは2018年5 月に長期ビジョン「NNI Compass for the Future」を策定した。創業120周年となる2020年を最終年度とする経営計画「NNI 120Ⅱ」を2015年にスタートしたが、環境や食糧、健康などの面で大きな変化が起こりつつあるため、「NNI 120Ⅱ」を通過点とする長期ビジョンに練り直した。

この中で設備投資や技術開発、人材育成と並んでM&Aに力を入れる方針を打ち出しており、その第一弾が年間営業利益の2倍に当たる470億円を投じて実施する豪州の製粉会社Allied Pinnacleの買収というわけだ。

各事業についてはそれぞれグランド・デザインを作成しており、製粉事業は低コスト体制を築き、海外事業を拡大するとともに新たな事業を立ち上げる方針。食品事業では加工食品事業で海外での事業展開を加速し、酵母・バイオ事業では診断薬原料、培地、試薬などの事業を拡大する。

その他の事業でもペットフード事業はEC(電子商取引)での事業拡大を推進し、エンジニアリング事業ではオリジナル機器の販売や粉体加工事業を拡大するという。

長期ビジョンには期限はなく10年後、20年後の社会構造の変化を見据えたもので、いわば未来への羅針盤という存在。このため目標数字などは設定していない。M&Aの推進がどのような形になるのか。豪州の製粉会社Allied Pinnacleの次の展開に注目が集まる。

文:M&A Online編集部