東京地裁は、2020年3月11日、日本の製薬会社が英国子会社に対して行った、ケイマンのパートナーシップ持分の現物出資に関し、本件持分が適格現物出資の対象外となる国内資産に該当するか否かが争われた事案で、当該持分は国内資産に該当せず、本件の現物出資は適格現物出資に該当するとして、原処分庁の処分を取り消し、納税者勝訴の判決を下しました。

 法人が、他の法人に対して行った現物出資が「適格現物出資」に該当する場合、移転資産(及び負債)は、帳簿価格による譲渡したものとして計算され、課税が繰り延べられます(法人税法62条の41項)。もっとも、当該現物出資が外国法人に対するものである場合、「国内にある事業所に属する資産又は負債」等を出資の対象とするものは、適格現物出資から除外されています(法人税法2条12号の14柱書、法人税法施行令4条の39項)。

 本判決は、本件におけるパートナーシップ持分の内実が、事業用財産の共有持分及びパートナーとしての契約上の地位が不可分に結びついたものであると判示した上で、当該持分の価値の源泉が事業用財産の共有持分であることから、当該持分について経常的な管理が行われていた事業所は、事業用財産のうち主要なものの経常的な管理が行われていた事業所と見るのが相当であると述べ、当該持分は、国内資産に該当しないと結論付けました。

 国は、上記判決に対して控訴を行っているようであり、控訴審の判決が注目されます。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 緒方 航

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2020年4月号 vol.76より転載