シリーズ中小企業経営・事業承継に活用したい手法 その13
事業承継税制の注意点」

シリーズ事業承継の活用手法として、中小企業の事業承継や財産の分散防止に効果的な信託などを解説していますが、今回は「事業承継税制の注意点」をお送りします。

一般の事業承継税制と今回創設された特例事業承継税制の違いは以下の通りです。

・対象株式:2/3 → 全株
・相続猶予対象:80% → 100%(従来は実質53%→100%へ)
・雇用確保要件:5年平均80%維持 → 実質撤廃
・贈与者:先代経営者のみ → 複数株主(一般も同時に改正)
・受贈者:後継経営者1人 → 後継経営者3名まで(代表権&株10%以上)
・相続時精算課税:推定相続人等 → 推定相続人等以外も適用可
・株価減免要件:民事再生等のみ → 譲渡・合併・解散時を加える
など大幅に拡充されています。

注意:計画は30.4.1-35.3.31までの5年間に作成しないと使えません。
また、贈与は39.12.31までに完了する必要があります。

いままでは、50%減免だったものが100%減免になり、先代経営者→後継者への1対1にしか使えなかったものが “先代経営者+配偶者+その他”→後継者へと贈与者も大幅に拡充されていますのでかなり使い勝手のいい制度となったと言えます。

しかし、いくつかの注意点がありますので下記に記します。

(1)事業承継税制はあくまでも“納税猶予”です。取消要件に当てはまった場合には課税されます。特に資産保有型会社や資産運用型会社に該当した場合には猶予が取り消され課税されます!
(2)その為、いつ猶予が取り消されてもいいように株価対策はしっかりし、株価を引き下げてから実施すべきでしょう!
(3)資産保有型会社や資産運用型会社にならないためには5名以上の従業員がいるなどいくつかの要件がありますので確認しておきましょう。
(4)後継者が複数も可能ですが、後年で主導権争いが起きないようもう一度考えることをお勧めします。
(5)推定相続人以外にも事業承継可能ですが、相続人に税負担のしわ寄せが行きますので注意しましょう。
(6)種類株等を承継後に後継者以外が保有している場合には納税猶予は使えません。
(7)後継者にはいい制度ですが、後継者以外にも目を配る必要があります。特に遺留分を侵害していないかなど確認しましょう。

※本記事は、メルマガ「ビジネス・ブレイン通信」より転載しております。