第2部 課題解決講演「成長を加速するM&Aの活用法と事例紹介」

続いて、ストライクの荒井邦彦代表取締役社長にバトンタッチ。

20年ほど前は「身売り」や「乗っ取り」といったイメージが先行して誤解が多かったM&Aも、現在は設備投資や研究開発などと並んだ成長戦略の一手となっているといいます。

その証拠に日本企業によるM&Aの件数も増えており、2018年11月の時点で年間3000件を超えて史上最高を記録。バブル期の1989年で年間600件ほどだったというので、当時と比べるとなんと5倍です!

ストライクの荒井邦彦代表取締役社長

こうしたM&A増加の背景には、次の2つが大きな要因として挙げられるといいます。

1. 資金調達環境のよさ
現状、無借金の上場企業の割合はなんと6割以上。企業の成長投資の機会が減る中、金融緩和も追い風となって、成長戦略としてM&Aに潤沢な資金が流れているのだそうです。

2. 後継者不在
以前は中小企業は家族や親族が継ぐのが当たり前だったものの、時代は変わりました。経営者自身の高齢化もあり、事業承継としてM&Aを選択する中小企業が増加しています。

そして、今回のセミナーのテーマでもある「M&Aを活用した成長戦略」のお話へ。MAOとしてはちょっと意外でしたが、成長実現するために、新たに会社を買うのではなく、自社を売却する経営者もいるのだとか。

自社を売った結果、足りない経営資源が補えれば会社の成長につながるという考えからです。「M&Aは欠けているものを補うためにするもの」と荒井さん。それは買い手、売り手のどちらの立場でも言えることだといいます。

M&Aを活用して「成長を加速」「新規事業参入」に成功した買い手企業の事例を紹介したうえで、買い手として大事にすべきポイントを教えてくれました。

<買い手として大事にすべき5つのこと>
・希望条件を狭くしすぎない
・小さく始めて大きく育てる
・買収してからが本番と心得る
・1つのM&Aで満足しないこと
・買収しないリスクも考える

印象的だったのが「1つのM&Aで満足しないこと」。さまざまな業種・業態で市場が縮小する中、ただ経営するだけで売上を上げるのが難しいのは明らかです。そんな中、2社、3社と常にM&Aのチャンスを探っていくことで、はじめて「成長戦略」と呼べるものになるといいます。