エア・ウォーター、今度は独リンデからインド事業を取得

日本企業による海外企業買収でDICに次ぐのがレンゴーの案件。ドイツ子会社を通じて、産業用重量物包装メーカーのトライコー・パッケージング&ロジスティクスなど現地2社の全株式を取得した。取得金額は約323億円。

レンゴーは重量包装の重要顧客である自動車産業のウエートの大きいドイツをはじめ、欧州域内での事業拡大を目指す。トライコーはドイツ国内に4工場を展開し、重量包装の分野で欧州3位、ドイツ国内2位のシェアを持つ。

200億円超の買収を連発したのはエア・ウォーター。ドイツの産業ガス大手、リンデからインド事業の一部を約204億円で取得すると発表した。リンデと同業大手の米プラクスエアが2017年に合併した際、インド当局がリンデにインド事業の一部を第三者に譲渡するよう求めていた。これに先立ち、エア・ウォーターは7月に米プラクスエアから、同様にインド事業の一部を約238億円で取得したばかり。

ティーケーピーはレンタルオフィス世界最大手のスイスIWG傘下で、台湾で事業を運営する現地子会社13社(台湾リージャス社)の全持分を取得し子会社化すると発表した。取得金額は計約29億2700万円。ティーケーピーは海外進出に関し、貸会議室単独での出店ではなく、レンタルオフィスなど他事業と組み合わせた出店を進める方向。

IWGは世界110カ国で「Regus」ブランドを中心にレンタルオフィス事業を展開する。ティーケーピーは今年6月、500億円近くを投じて、IWG傘下の日本リージャスホールディングス(東京都新宿区)を買収している。

ティーケーピー、レンタルオフィスの台湾リージャス社を買収へ

サンデン、子会社SDRSを500億円で譲渡

国内企業同士では、サンデンホールディングスが業務用冷凍・冷蔵ショーケースや飲料用自動販売機を製造・販売する子会社のサンデン・リテールシステム(SDRS、群馬県伊勢崎市。売上高537億円)を、独立系投資ファンドのインテグラル(東京都千代田区)の傘下企業に売却する案件が最大。譲渡価額は500億円(貸付債権なども含む)に上る。成長領域の自動車機器事業に経営資源を集中するのが狙い。

調剤薬局のM&Aは引き続き活発だ。クオールホールディングスは大阪府内や奈良県で10店舗を運営するセラ・メディック(堺市)を子会社化した。キリン堂ホールディングスは京都府内で調剤薬局1店舗を取得すると発表したが、相手企業名は明らかにしていない。

また、ソフィアホールディングスはメディプラン(大阪市)から3店舗を取得することを決めた。同社はインターネット関連事業を主力とするが、近年、健康医療事業に軸足を移しつつある。調剤薬局のM&Aは今年5件目となる。

廣済堂が「廣済堂出版」を切り離し

出版でも動きがあった。TKCは会員の会計事務所向けに出版事業を手がける関連会社のTKC出版(東京都千代田区)を株式交換で完全子会社化することを決めた。

また、廣済堂は出版子会社、廣済堂出版(東京都千代田区)の全株式を9月30日付で譲渡する。譲渡先は個人という。廣済堂出版は新書や文庫本を手がけるが、5期連続の赤字に陥っていた。親会社の廣済堂は今年1月、MBO(経営陣が参加する買収)で株式の非公開化を計画したが、不調に終わっている。

◎M&A:金額上位案件(10億円以上)

<買収案件>
1 投資ファンドの米フォートレス・インベストメント・グループ、ユニゾホールディングスをTOBで子会社化(約1368億円)
2 DIC、ドイツBASFの顔料事業を買収(約1162億円)
3レンゴー、産業用重量物包装メーカーの独トライコーなど現地2社を子会社化(約323億円)
4エア・ウォーター、ドイツの産業ガス大手リンデからインド事業の一部を取得(約204億円)
5味の素、液体調味料メーカーの米モア・ザン・グルメを子会社化(約38億円)
6ティーケーピー、レンタルオフィスの台湾リージャスを買収(約29.2億円)
7    韓国マジェスティゴルフ、ゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)をTOBで子会社化(20.9億円)
<売却案件>
1サンデンホールディングス、業務用冷凍・冷蔵ショーケースや飲料用自動販売機を製造・販売する子会社のサンデン・リテールシステムを、国内投資ファンドのインテグラルに譲渡(約500億円)   
J-オイルミルズ、坂出事業所(香川県坂出市)の倉庫・不動産事業を譲渡(20億円)
3ジー・スリーホールディングス、太陽光発電事業子会社の永九能源(東京都品川区)をユニ・ロット(大阪市)に譲渡(11.3億円)

文:M&A Online編集部