【まとめ】コア事業とのシナジーについて明確なビジョンを持つことが重要

クラレの創業時からの理念は「独創」である。その創業の精神を承継しながらも、「不易流行」を活かした経営により、M&Aを積極活用し、企業の強みを最大化することに成功した事例と言える。

M&Aを成功させるためには、コア事業とのシナジーについて明確なビジョンを持つことが重要である。買収後の人的資源については「ハンズオフ」にてモチベーションを維持し、追加投資についても積極的に行うことでM&Aの効果の最大化に成功した好事例と言えるであろう。

今後は新しい事業領域についてもM&Aを行っていく可能性が高いが、コア事業と同様にPMIの運用がカギを握っている。M&Aによる統合効果を確実にするために、M&Aの初期段階より統合阻害要因等に対して事前の検証を行い、統合後にそれを反映させた組織統合マネジメントを推進することが重要である。特にクロスボーダーM&Aでは、国や風土によってまったく異なる企業文化の違いをどのようにマネジメントするかが重要なテーマと言えよう。「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学企業」を掲げる同社のM&A戦略については引き続き注目したい。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部