3.地元自治体による第三セクター化

国民からJR四国救済の理解を得にくいとなると、地元自治体が支援の手を差し伸べるしかない。すでにJR四国と同様に大きな赤字を抱えるJR北海道では、北海道と沿線市町村が2020年3月期にJR北海道の赤字8区間に計2億円を拠出している。道と市町村の拠出割合は7対3で、道が1億4000万円、市町村が計6000万円を分担した。

観光列車用車両の整備や駅のWi-Fi設置といった、鉄道の集客力向上に結びつく資金として利用される。沿線自治体がJRに資金を拠出するケースは珍しくないが、災害復旧や新駅建設などのインフラ整備にあてられるのがほとんど。JRのいわば営業費用に行政が資金を出すのは異例だ。営業費用に自治体の税金が投入されたことで、行政が鉄道会社の経営自体を支援する道筋がついたといえる。

早い話がJR四国の「第三セクター」化だ。四国地方にも旧国鉄阿佐線の徳島県側を引き継いだ阿佐東線を運営する阿佐海岸鉄道(海部駅−甲浦駅、路線総延長8.5km)と、阿佐線の高知県側を引き継いだごめん・なはり線(後免駅−奈半利駅、同42.7km)、中村線(窪川駅−中村駅、同43.0 km)、宿毛線(中村駅−宿毛駅、同23.6km)を運営する土佐くろしお鉄道の第三セクター鉄道会社2社が存在する。

この両社が旧国鉄線を引き継いだように、地元自治体が出資する第三セクターにJR四国の路線をそっくり移管することで生き残りを図る方法もある。もし実現するとしたら旧国鉄のように債務だけを旧JR四国に引き取らせ、資産や設備、車両、従業員などをそっくり第三セクターの新鉄道会社へ移すことになるだろう。

早い話が、負債を切り離したJR四国への地方自治体の出資である。当然、財政基盤の弱い四国の自治体だけに出資では支えきれないため、政府からの出資も必要になるだろう。

「食いつなぐ」よりは「勝負に出る」べきだ

JR四国はJR各社の中で唯一、自社管内に計画も含めて新幹線がなく、政令指定都市もない。最大の都市である松山市ですら、人口は50万9968人。この先も鉄道需要が拡大する要因はなく、管内に政令指定都市が3市存在するJR九州のようにホテルや商業施設、不動産といった鉄道以外の事業で収益をあげるだけの人口や経済基盤も存在しない。

設備投資に利用する「経営安定化のための支援措置」の400億円(助成金50%、無利子貸付50%)など、政府からの財政支援の根拠となる法律も2021年3月期で失効する。政府からの財政支援が代替措置なく突然打ち切られることはないだろうが、継続の条件として不採算路線の廃止や運賃値上げ、運転本数の削減といった「構造改革」を迫られるのは避けられない。

そうなればJR四国の経営体力は、徐々に細っていくことになる。政府からの補助で細々と「食いつなぐ」よりも、JR四国が経営統合や地方自治体からの出資などで先手を打って「勝負に出る」方が、長期的な事業継続の可能性は高まるだろう。

文:M&A Online編集部