1.JR西日本との合併

JR四国は瀬戸大橋線で接続するJR西日本<9021>との関係が深い。山陽新幹線からの乗継客用に岡山駅発着の特急列車も運行しており、「合併するならJR西日本」というのが既定路線といえる。とはいえ「お荷物」となるJR四国を救済するほどの余裕はJR西日本にない。

大阪・京都・神戸を核とする近畿圏を抱えているとはいえ、中国・北陸地方のローカル線も多く、2020年3月期連結決算では売上高は首都圏をカバーするJR東日本<9020>のおよそ半分、営業利益では東海道新幹線を抱えるJR東海<9022>の4分の1未満と本州3社では最も経営体力が弱い。

JR本州3社の業績比較2020年3月期
社名JR東日本JR東海JR西日本
売上高29,46618,44615,082
営業利益3,8086,5611,606
売上高営業利益率12.9%35.6%10.6%
(単位:億円)

JR西日本が合併を受け入れるとしたら、分割民営化時に「持参金」として与えられた経営安定基金(2082億円)の積み上げや、予土線(北宇和島駅−若井駅)をはじめとする不採算路線の廃止を含む大胆なリストラは避けられない。

2.JRグループ3社による共同経営支援

JRグループではJR四国とJR北海道の2社が存続を危ぶまれている。前述のようにJR四国はJR西日本が、JR北海道はJR東日本が、路線が直結しているという理由からそれぞれの救済合併が取りざたされている。

しかし、財政的に最も豊かなのはJR東海だ。JR東日本との比較では、JR東海が売上高こそ1兆円も下回るが、営業利益は逆に3000億円近く上回っている。JR東海の売上高営業利益率は、東西2社の約3倍と飛び抜けて高い。

そうなれば「なぜ最もゆとりがあるJR東海が赤字会社を引き受けないのか」との不満が、東西2社から出るのも当然だろう。「落とし所」は3社共同での経営支援だ。本州3社による資金面や人材面での経営支援が順当だが、3社でJR四国とJR北海道を統括する持株会社を設立し、両社をその子会社にするという抜本的な対策もありうる。

いずれにせよ本州3社が自主的にJR四国やJR北海道の支援に乗り出すとは考えにくく、政府主導による「業界再編」となるだろう。本州3社がこれを受け入れるには、政府による相当額の追加資金援助が避けられない。

地域課題といえるJR四国の存続に巨額の国費を投入することが、国民の理解を得られるかどうかがハードルになる。