「店頭」領域を深耕、逆風下のリアル店舗をサポート

インパクトHDが主戦場とするのはドラッグストア、スーパーマーケット、バラエティーショップ、アパレルショップ、家電量販店など流通小売業の店頭。これらのリアル店舗はオーバーストア(店舗過剰)状態とされ、どこの店でも同じような商品が同じような価格で手に入るため、販促や接客の質が繁盛店かどうかの決め手になる場合が多い。同社の出番というわけだ。

一方で、インターネット通販は全盛期を迎えている。こうした中、10年後には現在の半数のリアル店舗しか生き残れないとの厳しい見方もある。逆風下にあって、いかに活路を見いだそうとしているのか。

一つは“本業”領域の強化・拡充だ。ここへきてM&Aを加速していることからも読み取れよう。もう一つは海外展開の本格化だ。これまでインド、インドネシア、中国などアジア地域で小売業向けにチェーン運営に関するコンサルティング業務に取り組んできたが、今後は現地事業に投資するなど踏み込んだ展開を目指す。

2018年12月期の業績は売上高3.8%増の62億7700万円、営業利益46.6%増の4億600万円、当期純利益33.2%減の3億3000万円。部門売上高をみると、HRソリューション事業38億7200万円、IoTソリューション事業13億1800万円、MRソリューション事業11億2000万円となっている。

全体の6割強を占め、本業中の本業といえるのがHRソリューション事業。ラウンダー、推奨販売、マネキン派遣をはじめ、改装応援、品出し、ノベルティや販促物・販促什器の制作・設置、店舗運営受託、キャンペーン事務局など、広範な店頭販促支援メニューをワンストップで提供する。

得意先企業の「営業」として、ドラッグストアやスーパーの店舗を巡回し、本部の決定事項に従って売場をつくるのがラウンダー。店頭へのルート営業を代行するもので、店舗の担当者と有利な商品陳列の交渉をしたり、キャンペーンに伴う販促物・販促什器を設置したりする。競合他社の情報をフィードバックするのも大切な仕事だ。

ラウンダーや推奨販売、マネキン派遣などの店頭業務は年間約107万件と業界最大規模を誇る。これらの店頭情報はデータベース(DB)化。販促企画の提案は勘や経験に頼り勝ちだが、DB活用は差別化のポイントになっているという。

店頭領域以外に事業を広げるため、昨年1月には人材派遣の札幌キャリアサポート(現サツキャリ、札幌市)を子会社化。また、新たに観光地のホテルや旅館で働くアルバイト派遣も始めた。

IoTソリューション事業は2014年に子会社化したimpactTV(東京都港区)を軸に、小型デジタルサイネージを年間約20万台提供している。サイネージは店頭用の電子POPのこと。通常の店頭販促機能に加え、オンライン化によるコンテンツ自動更新や人感センサー・顔認識エンジンを活用した店頭棚前顧客情報の収集に注力中だ。

ここではメーカー販促領域外への展開を打ち出している。具体的には自動ドア、エレベーター、タクシー、美容室、工場、大手飲食チェーンなどをターゲットに据え、サイネージの普及に余念がない。

MRソリューション事業の主力は覆面調査で、年間11万件を手がける。一般消費者になりすまして接客態度や商品・サービス、清掃状況などを評価するもので、ミステリーショッパーとも呼ばれている。

◎前期実績と中計目標(単位:億円)

2018/12期23/12期目標
・売上高62.7180
(内訳)
HRソリューション38.780
IoTソリューション13.150
MRソリューション11.250
・営業利益4.020
・当期純利益3.310