スタートアップ大国・米国との差が開くばかりの日本。日本は2018年6月にフリーマーケットアプリを展開するメルカリが新規上場して話題になったが、後に続く企業は数えるほどしか存在しない。一方、米国はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)が世界を変革する巨大企業となり、電気自動車(EV)メーカーのテスラやライドシェアのウーバーテクノロジーズ、民泊紹介サイトのAirbnbなど、GAFAに続くスタートアップ企業が巨額の資金調達に成功し、事業を拡大している。

日本がスタートアップ大国に成長する条件とは

米国との差が開くばかりではない。中国は10億ドル(約1100億円)以上の企業価値が見込まれる未上場新興企業(ユニコーン企業)が60社を超えるといわれ、100社超の米国を猛追している。日本のスタートアップが低空飛行を続けている原因は資金調達。スタートアップ企業へ成長に必要なだけの資金を供給するにはどうすればいいのか。ベンチャーファイナンスでの支援に取り組んでいるイグナイトパートナーズの西澤龍社長に、日本がスタートアップ大国に成長する条件を聞いた。

-ご自身のコラムで、M&A価格の目安といわれる「EV(企業価値)/EBITDA倍率(EBITDA倍率)の8倍」が正しいのかという問題提起をされていますね。

実際、EBITDA倍率は業種によってバラバラだ。資源株や工作機械株など、経済動向に敏感な銘柄は30倍以上になるものもある。そこで東証一部上場企業全体を一つの企業体「東証一部株式会社」と見立て、全体のEBITDA分析を実施してみたところ、2001年~2018年までの平均値は8.3倍になった。つまり「EBITDA倍率の8倍」は、実態と大きな齟齬がないことになる。

EBITDA倍率8倍の原則は、実態と大きな齟齬がない」と、西澤社長