前回に引き続き、行政書士のM&A、事業承継への取り組みを取り上げます。今回は、事業者数としても多い建設業に絞って、行政書士から見たM&Aと事業承継の留意点をまとめました。

許可は自動で引き継がれるわけではない

建設業は、業界の規模は約16兆円といわれ、震災など災害からの復興、老朽化しているインフラのリフレッシュ、さらに東京オリンピック、大阪万博、リニア中央新幹線といった大型のプロジェクトなどを含め、住宅のバリアフリー化、耐震補強、リフォームなどまで需要は多く、慢性的な人手不足が起きています。

国土交通省の調査によれば、2018年(平成30年)3 月末での建設業許可業者数は46万4,889業者。前年同月比0.1%の減少でした。建設業許可業者数が最も多かった2000年(平成 12 年 )と比較すると、22.6%の減少となっています。

ただし、2013年(平成25年)頃からは、新規業者数が増加へと転じるなど下げ止まっているともいえます(建設業許可業者数調査より)。

許可業者数・新規及び廃業等業者数の推移
国土交通省:建設業許可業者数調査

建設業は基本、国土交通省(都道府県)の許可が必要な事業です。

ただし、許可なしで請け負える「軽微な建設工事」もありますが、近年では、下請け、孫請けとなる小規模な建設業者にも、元請けから「建設業許可を得てほしい」とされることも多くなっています。またリフォームなどでも信用を強化する意味から許可を得る業者が増えています。

建設業許可の区分

さらに、建設業の許可は建設工事の業種別となっています。

建設工事は、29の種類に分類されています(土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事のほか、27の専門工事)。種類ごとに許可を取得します。

同時に2つ以上の業種の許可を取得したり、追加取得もできます。

建設業の許可の有効期間は5年間。更新を受けなければ許可は失効します。

そして、M&Aや事業承継で、以前の許可が自動的に引き継がれることはありません。必ず、なにかしらのアクションを起こさなければ無許可となってしまうのです。