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事業承継に必要な許認可手続き2|建設業編

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bee32/istock

スムーズに事業を継続するには?

「まず確認したいことは、事業を承継する会社が、許可の要件を満たしているか、です」

ここをしっかり確認しよう!

経営業務の管理責任者 5年または6年以上の建設業の経営経験があること
=経営経験とは、役員、執行役員、支店長など
専任技術者 必要な専門技術の国家資格を持っている人(例・一級建築士など)や建設工事の実務経験がある人
※経営業務の管理責任者と兼務が可能
営業所の場所 大臣許可か知事許可か
財産的基礎 一般建設業許可=500万円以上の資金調達能力
特定建設業許可=資本金2000万円以上。自己資本4000万円以上。ほか欠損比率、流動比率なども重要
欠格要件 役員で過去に建設業法に違反した者はいないか。刑事罰を受けた者は? 暴力団関係者は?

たとえば、経営業務の管理責任者は、他社のOBを一時的に役員にして、その間に自分たちで経験を積むといったやり方もできます。専任技術者も雇用するなどして対応することが可能です。

「とはいえ、その準備中は、許可は得られないのですから、あらかじめ経営の計画にしっかり組み込んでおかないと思わぬ損失となります。とくに、公共事業の入札をしたいと考えるならより入念に準備をしてください。工事を受注できるまでに、半年ぐらいかかってしまうことを想定した方が良いかもしれません」

東京都の入札業者となろうと思っても、いつでもなれるわけではありません。入札資格は2年に1度の定期申請となっており、現在は、2019年度、2020年度にわたる定期申請を受け付けています。もちろん、これを過ぎてからも2019年4月以降申請は可能(随時)ですが、期間は2020年度末で切れてしまいます。同じ手間をかけても活用できる期間は減ることになります。

さらに外国人、外国企業の問題もこれからは増えていくでしょう。

「海外での経営経験や専門技術の経験は、大臣特認として認めて貰える可能性もあります。ただ、現状ではそのための書類づくり、たとえば、海外の書類を和訳して提出するなどハードルはそれなりに高いのです」

大臣特認とは、個別に大臣が認めた場合に、許可される可能性があること。役員に外国人が入るとき、海外現法での経験を認めて欲しいときなど門戸は開かれているものの、それなりに手間はかかるようです。

「できるだけ早い段階で、上記の点を確認しておいてください。不明点は行政書士や管轄している役所に相談をしてほしいですね。どの書類が必要か、取り寄せるとすればどのぐらいの期間が必要か、そういった点を含めて事業承継のスケジュールを立てていくことをオススメします」

国土交通省、各都道府県では、建設業許可についてさまざまな資料を用意しています。ただし、これを読み込んでいくのはなかなか大変。専門家に相談しながら間違いのない事業承継を実現したいものです。

 舛本哲郎(ライター・行政書士)/編集協力:一般社団法人コンブリオ

M&A Online編集部

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