商店街の地盤沈下が止まらない。空き店舗の割合は13%を超える。郊外大型店と急拡大するEC(電子商取引)市場の挟み撃ちに加え、経営者の高齢化による後継者問題も重くのしかかっている。地域コミュニティーの中心としての商店街を再生し、次代にどうバトンタッチしていくのか。換言すれば、「地域承継」にほかならない。商店街支援を専門する中小企業診断士の鵜頭誠さんに、商店街の状況や生き残りのヒントを聞いた。

複数の商店街が連携して「エリア」として生き残る

ー空き店舗が目立つ商店街を指して、“シャッター商店街”などと言われ始めたのは1980年代の後半ごろからですが、現状はどうですか。

商店街は、どん底の時代と言われるほど厳しい状況になってしまった。郊外型の量販店やアマゾンに代表されるネット販売が今や当たり前となったが、逆にそうでもないものがようやく見直され始めている。商店街ならではの気さくさや温かな触れ合い、伝統や文化に根差した地域の魅力発信…。そこに気づいたところは今まさに、商店街の自活に向けてスタートを切ろうとしている。

個々の商店街だけで難しいのであれば、エリアとして生き残る術はある。これまで商店街は一つの商店会として生き残ろうとしていたが、そういう残り方は限界を迎えている。地域の役割を承継するという点では、3~4つの商店街を一つのエリアとしてネットワークのように商店街群を組むことはあっていい。お客さんの抱く地域のイメージにも合致する。

ーそもそも商店街に期待される役割は何でしょうか。

商店街にはいろいろな定義あるが、最もイメージされやすいのは人が思いとして寄り添っているコミュニティーの基盤としての要素。人々が大事にしている魂や拠点は地域ごとに異なるが、同じエリアの人はその部分でつながっている。地域承継という点でもそこは重要だ。

東京・世田谷のある商店街でこんな例があった。文房具店が廃業することになり、代わって後を引き継ぐことになったのが同じ商店街で体操着を扱う店主だった。地元として文房具店が必要で、しかも周りには小学校に通う子がたくさんいる。街の機能の1部を地域の中で可能な人が承継した。商店街全体として町の機能や地域事業をつないでいく役割がある。