日本政策金融公庫は「金融機関に経営課題を相談した中小企業は、金融機関に相談しなかった中小企業よりも事業承継問題に直面している企業が多い」という論文をまとめた。 

日本政策金融公庫総合研究所が2017年7月に実施した「経営課題に関するアンケート」の回答と、回答企業の財務データを組み合わせて、金融機関に経営課題を相談した中小企業の特徴と業績の変化を実証的に分析した結果、分かった。 

金融機関に経営課題を相談した中小企業は、事業規模が相対的に大きいものの収益性は相対的に低く、借入金全体に占めるメーンバンクの割合が高いことも分かった。これら企業は金融機関との接点が多く、事業承継問題の解決策としてM&Aを選択するケースは少なくなさそうだ。

 日本政策金融公庫論集第41号に掲載

論文のタイトルは「金融機関に経営課題を相談した中小企業の特徴と業績の変化」で、日本政策金融公庫論集第41号に掲載した。 

直近3決算期の間に直面した経営課題を金融機関に相談した企業と相談しなかった企業で比較。どのような中小企業が金融機関に経営課題を相談しているのか、金融機関に経営課題を相談した中小企業の業績はどのように変化しているのかを分析した。 

その結果、相談した企業は事業規模が相対的に大きかった。これについて日本政策金融公庫総合研究所は「規模が大きくなるほど、経営のオペレーションが複雑になり、社内だけでは対応が難しい課題に直面しやすいことの表れ」と分析した。 

また相談した企業が直面している経営課題は「事業承継」のほかに「製商品・サービスの開発」「新規事業展開・多角化」「財務内容の改善」などが多かった。同総合研究所は事業承継について「緻密なスケジュールを策定したり、入念な投資計画を策定したりする必要があり、他社の事例も踏まえた助言を期待して相談していると推察される」としている。 

さらに相談した企業は収益性が相対的に低く、借入金全体に占めるメーンバンクの割合が高いことなども分かった。

文:M&A Online編集部