業績が良いということは、会計上(損益計算書の世界)で利益があがっていることとイコールではない。大企業と違って資金力の乏しい中小企業にはキャッシュフロー管理の感覚が必要だ。

手元に資金が十分にないと資金繰りが逼迫してしまうので、利益を出しつつ資金を効率的に回し、手元に一定程度の資金(現預金)が残せることが健全な経営と言える。

中小企業の決算でもキャッシュフロー計算書を添付することが増えてきた。一般的なキャッシュフロー計算書(間接法)は、損益計算書の当期利益を出発点として「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の順番で各活動の成果(資金収支)との関連を明らかにし、最終項目で前期末時点の現預金と当期末時点の現預金の増減を示す。

業績の良い会社は美しい滝のようにお金が流れる

図1をご覧いただきたい。業績の良い会社の事例(左側)は、営業活動で稼いだ資金(営業キャッシュフロー、以下キャッシュフローはCFと略す)の範囲内で業績向上のための発展投資を実施し(営業CF>投資CF、この差額をフリーキャッシュフロー(FC)と言う)、借入金の返済もフリーキャッシュフロー(FC)の範囲内で行ったうえで、手元の現預金一定水準を保つことができるので財務状態は健全である。

     図1

資金は美しい滝のように上流から下流に向けて流れおりてくるのである。一方、業績の悪い会社の事例(右側)はその逆となり、鯉の滝登りといった風に見える。

営業活動ではキャッシュを生み出せず(営業CFはマイナス)、手持ち資産の切り売り(投資CFはプラス)や短期資金の調達(財務CFはプラス)で本業の資金不足を補っている。

利益が出ないうえ営業資金の繰り回しに苦労するので、資金繰りは逼迫する。金融機関の支援が頼りとなるが、金融機関の自己査定基準に照らすと、業績が2期連続赤字ともなれば金融機関の支援継続のためには経営計画の策定などいろいろと条件が付くであろう。