統合がベストの選択、ゼロックスの変革を後押し

富士フイルムHDは1月末、米ゼロックスを買収し、経営統合することで合意した。子会社の富士ゼロックスと米ゼロックスを統合したうえで、新会社の株式の過半数(50.1%)を取得し、9月までに子会社化する予定としていた。アイカーン氏らは「(ゼロックスを)過小評価している」などと異議を唱え、米ニューヨーク州裁判所に統合差し止めを求める訴えを起こし、4月末に買収差し止めの仮処分が下された。

米ゼロックスと富士ゼロックスが統合すれば、事務機分野で米ヒューレット・パッカード(HP)と並ぶ世界トップに立つ。だた、ゼロックスが主力とする米欧の先進国市場ではペーパーレス化の進展などで事務機需要が停滞し、苦戦を強いられており、ゼロックス自体も経営の変革を迫られている。助野社長は「2社が統合して初めて出る効果もある。ゼロックスの中身を変えていくにはこれ(統合)しかない」と語り、現行の統合計画がベストであることを重ねて強調した。

経緯(日付は日本時間、富士フイルムホールディングス資料から作成)
1月31日富士ゼロックスと米ゼロックスの経営統合を発表
2月中旬ダーウィン・ディーソン氏がNY裁判所に損害賠償と差し止めを請求する訴訟を提起
4月下旬 ゼロックスが富士フイルムHDに具体的な金額提示を含む再交渉の申し入れ
27日 富士フイルムHDがゼロックスから再交渉の申し入れがあったことを発表
28日 NY州裁判所が本案件の差し止めを認める仮処分命令を下す
5月2日 ゼロックスがアイカーン氏、ディーソン氏との和解と、経営陣の辞任を発表
 3日 富士フイルムHD、上記和解案に異議申し立て
 4日 ゼロックスが上記和解案の失効と、経営陣の留任を発表
富士フイルムHDとゼロックスが仮処分命令を不服としてNY州裁判所に上訴(米国時間)
 9日 ゼロックスが富士フイルムHDと再交渉を開始することを発表
10日 富士フイルムHD、ゼロックスから具体的な提案は受けていないと発表
14日 ゼロックスが本案件の契約終了とアイカーン氏、ディーソン氏との和解を発表

文:M&A Online編集部