「再起」への道は2本

一方、会社が存続するやり方には「民事再生」と「会社更生」の2つがある。民事再生は「民事再生法」による手続きで、経営が行き詰まった企業が債権者の多数の同意を得るのに加え、裁判所の認可を受けた再生計画を定めることを条件に、事業または経済生活の再生を目指す。企業だけでなく給与所得者を含む個人も利用でき、個人再生手続きを規定した特則もある。

メリットは何と言っても債務者主導で再建を進められること。旧経営陣の続投が可能で、原則として株主の権利も維持される。いわば「ソフトランディング」型の企業再生だ。ただし、民事再生では債権者が担保として押さえていた財産の競売を申し立てる権利は残り、事業継続に必要な社屋、工場、土地などが競売にかけられる可能性もある。債権者との話し合いで、主要財産の競売権行使を思い止まらせなくてはならない。2000年に百貨店のそごう、2001年に青木建設(現・青木あすなろ建設<1865>)、2015年にスカイマーク、最近では2017年4月に「モリカケ疑惑」の当事者の一つでもある学校法人森友学園が民事再生を申し立てている。

会社更生は会社更生法による手続きで、経営が行き詰まった株式会社などが裁判所の監督の下、裁判所が選任した更生管財人を中心として債権者や株主その他の利害関係者の利害を調整して事業の維持更生を図る。会社更生では基本的に経営陣は一新され、100%減資で既存株主も権利を失う。再建プランは当事者企業ではなく、外部の専門家が作成する。企業の思い通りにならない分、民事再生と違って担保権者や株主の権利を制限でき、合併や減・増資などの組織再編も容易という「強権発動」型の再建が可能だ。民事再生に比べると企業の自由度は低い半面、より強力で確実な再建手段といえる。

ただし、会社更正を裁判所に申し立てるには、数千万円単位の予納金を納めなければならない場合もあり、資金援助や事業譲渡に応じる再建スポンサーを見つける必要もある。会社更生は手続きが煩雑で費用もかかるため、大企業が選択するケースが多い。2010年には日本航空<9201>が、2012年にエルピーダメモリ(現・マイクロンメモリジャパン)が、最近では2018年6月に日本海洋掘削<1606>が会社更生を申し立てている。

民事再生と会社更生は「再スタート」の切り札

文:M&A Online編集部