有価証券報告書は企業グループに関する情報の宝庫です。M&Aに関する情報も有価証券報告書から多くを読み取ることができます。

ただし、有価証券報告書はコンテンツが充実しているだけに、普段、有価証券報告書を見慣れない方にとっては「どこに何が書かれているのかわからない」という状況にも陥りがちです。

そこで以下では、M&A情報を仕入れる際に有価証券報告書のどこを見ればよいのか、そのポイントをお伝えしたいと思います。

有価証券報告書の構造は?

有価証券報告書自体は金融庁が運用するEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)からPDFやHTMLの形式で閲覧できるほか、各社のIRページなどに過年度からの有価証券報告書や四半期報告書が掲載されているのが一般的です。

まずは有価証券報告書の大まかな構造を確認しておきましょう。有価証券報告書は「表紙」「第一部 企業情報」「第二部 提出会社の保証会社等の情報」「監査報告書」から構成されますが、情報量としては「第一部 企業情報」が中心となります。

「第一部 企業情報」は「第1 企業の概況」「第2 事業の状況」「第3 設備の状況」「第4 提出会社の状況」「第5 経理の状況」「第6 提出会社の株式事務の概要」「第7 提出会社の参考情報」という7つのセクションに分かれています。

例えば、とりあえず業績を把握したい場合には有価証券報告書のうち「第1 企業の概況」に掲載されている経営指標の推移や「第5 経理の状況」に掲載されている財務諸表を見るという活用方法が考えられます。

新たな子会社は「連結の範囲」でチェック

「第5 経理の状況」に掲載されている財務諸表のあとには、財務諸表をより良く理解するための注記事項が続きます。注記事項の冒頭付近には「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」という項目があります。ここでは、連結財務諸表を作成するために採用されたルールや前提となる事項などが記載されています。

この「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」のうち「連結の範囲に関する事項」という箇所を見ると、連結子会社が何社あるのか簡潔に記載されているほか、当期中に連結グループに加わった会社などを知ることができます。

また、「第1 企業の概況」の後半には「関係会社の状況」という項目があり、各子会社の資本金、議決権の所有割合、事業内容などが簡潔にまとめられています。さらに「関係会社の状況」の直前には「事業の内容」という項目がありますが、その中で連結グループの商品やサービスの流れが事業系統図として描かれているので、これも理解の一助になります。