滋賀県の結婚式場で披露宴の参加者が、新型コロナウイルスに感染していたことが分かりました。式場は7月24日から26日まで自主休業して施設の消毒を実施。27日に営業を再開しました。

国内の新型コロナウイルス感染拡大がじわじわと進行する中、婚礼客の中から感染者が出たことは業界全体にとって一大事。なぜなら、大手ウエディング企業の多くは、今年の春に予定していた結婚式を秋以降に引き延ばしていたためです。この婚礼客が大量にキャンセルをすることになれば、太い生命線の一つが断ち切られることになります。

そんな中、ゲストハウス運営のエスクリ<2196>は、SBIホールディングス<8473>や貸会議室のTKP<3479>と資本提携するなど、資金調達と新たなビジネスの基盤づくりに奔走しています。

この記事では以下の情報が得られます。

・新型コロナウイルスが婚礼業界に与えた影響
・エスクリの資本提携の内容

婚礼延期で延命する大手ウエディング企業

画像はイメージ(Photo by pixabay)

テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>は、2020年3月に予定していた結婚式1200組のうち、600組を6月以降に延期しました。2020年上期の結婚式数は新型コロナウイルスの影響で前年比36.0%に留まったものの、下期は154.0%を予想しています。2020年通期は前年比78.6%、2021年は191.9%を見込んでおり、長期的に見ればその影響は小さいとしていたのです。外食やカラオケなど他のサービス業と比較して、婚礼が新型コロナウイルスの影響を取り沙汰されない理由はここにあります。

テイクアンドギヴ・ニーズは延期した結婚式についてはキャンセル料をとらず、100億円の当座貸越契約によって運転資金を確保。社会的責任を守り、ブランドが毀損しないよう取り計らいました。

銀行から大型の借り入れができた要因の一つも、結婚式がキャンセルではなく、延期だったため。結婚式の平均単価はおよそ320万円。3月に延期した600組だけでも、20億円近い売上になる計算です。テイクアンドギヴ・ニーズの営業利益率は2020年3月期の5.6%前後で安定しており、飲食などの平均的なサービス業の営業利益4.1%(経済産業省「企業活動基本調査」)と比較しても悪くありません。

今回、滋賀県で見つかった参列者のコロナ感染は、ウエディング企業が押さえ込んでいたパンドラの箱を開けることにも繋がりかねません。ポイントは企業や店舗側がコントロールできない列席者から感染者が出てしまったこと。結婚式場側がどれだけ綿密な感染対策をとったとしても、新郎新婦や親族、ゲストが結婚式そのものを望まなくなればキャンセル数が増大します。影響を最小限に抑えたとしても、小規模な披露宴で済ますカップルが続出し、婚礼単価が下がる可能性があります。

ゲストの数が60名だと平均単価は320万円となりますが、人数が20名ほどになると単価は120万円まで下がります。600組で7億円ほどの売上にしかなりません。

結婚式場紹介などを行うリクシィ(東京都中央区)が6月に実施した調査によると、結婚式に積極的に参加したいとする人の割合は30.9%。出席したくないと答えた人は22.0%にも上っています。