星野リゾートは、イシン・ホテルズ・グループ(以下:イシン)の株式50%を取得すると3月27日に発表しました。イシンは都市型観光ホテル「the b(ザ・ビー 以下:ビー)」を全国で15軒運営。星野リゾート・リート投資法人<3287>は、ビーをすでに4物件所有しています。今回の提携により、一般への浸透率が今一つのビーブランドを、星野リゾートのマーケティング力で定着させて物件の収益力アップ。その裏で、都市型観光ホテルという「ビー」のコンセプトを”オマージュ”した星野リゾートのホテル「OMO(おも)」に力を注ぐ作戦ですね、という話です。

この記事では以下の情報が得られます。

①星野リゾートが旅館再生業から脱皮する理由

②イシン・ホテルズと提携する背景

星野リゾート・リート投資法人
星のや軽井沢


提携の裏で糸を引く星野リゾート・リート投資法人

星野リゾートとイシンの提携は、星野リゾート・リート投資法人抜きには語れません。

星野リゾートの代表である星野佳路氏は、旅館・ホテル運営において、所有と運営を分けました。米国でホテル経営を学んだ星野氏らしい選択です。海外の多くのホテルでは、物件のオーナー(大家)とホテルの運営は、古くから別の会社が行っています。

一方、日本のホテルは所有と運営が同じパターンが多いです(帝国ホテルが典型的な例)。さらに旅館となると、ほとんどすべてにおいて所有・運営が同一の会社です。

星野氏は1983年に慶応大学経営学部を卒業し、米コーネル大学ホテル経営大学院へと進んでいます。日本がバブル期にあった1980年代、星野氏は所有と運営を分けて経営するメリットを目の当たりにし、日本に根付かせるアイデアを温めていました。シティバンクでリゾート施設の債権回収の仕事に従事。その後、自らが旅館の再生事業へと進みます。「リゾナーレ」「アルファリゾート・トマム」「磐梯リゾート」など、経営破綻した施設の再生に成功。それからゴールドマン・サックスと組み、「白銀屋」と「いずみ荘」を立て直しています。