会員制ホテルやゴルフ場の開発・運営を行うリゾートトラスト<4681>は、2020年夏に「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」をオープンします。カハラブランドはハワイやホテル好きなら、誰でも知っているハワイの老舗&名門ホテル。ですが、一般への知名度はいま一つといったところです。今回のプロジェクトに458億円もの投資を行うリゾートトラスト。社運をかけたこのプロジェクトの中心には、ウエディングビジネスへの本格参入が柱になっているのではないでしょうか。という話です。

この記事では以下の情報が得られます。 

➀苦戦が続くリゾートトラストの会員権ビジネス
➁なぜカハラブランドを取得したのか
➂激戦区みなとみらいエリアのウエディング事情

リゾートトラスト公式HPより

ゴルフ会員は頭打ち、ホテル頼みのビジネスモデルに

リゾートトラストは、会員権事業が主力の会社です。ホテル47、ゴルフ場13、メディカル施設8、老人ホーム14を運営しています。どれも会員制ならではの高級施設です。後述しますが、主力は会員向けホテル事業。

公式ホームページによれば、エクシブ(リゾートホテル)の年会費は20~30万円です。トップクラスの会費は数千万円になります。会員を集めて胡坐をかいていればお金が入ってくる。何となく儲かりそうなイメージがありますよね。

ところが懐具合は、なかなか厳しいようです。業績はこんな感じ。

▼リゾートトラスト通期業績 ※( )は前期比
売上高経常利益
2016年3月期1422億4900万円(18.1%増)194億3900万円(3.8%減)
2017年3月期1435億4100万円(0.9%増)148億600万円(23.8%減)
リゾートトラスト2016年2017年決算説明資料より


2016年は比較的好調、2017年は絶不調。

2016年が好調なのは、2018年にオープンする芦屋ベイコート倶楽部の会員集めが奏功したから(2019年にオープンを控える愛知県のラグーナベイコート倶楽部はいま一つでした)。リゾートトラストは、ホテル誕生のニュースを引っ提げて会員を集め、安定的に事業を伸ばすというビジネスモデルなのです。

裏を返せば、小粒な施設ばかりだと先細りということ。会員を集めるためには、次々と優良物件を開発しなければなりません。

ちなみに、主力の会員権事業の業績はこんな感じ。

▼会員権セグメント通期業績 ※( )は前期比
売上高営業利益
2016年3月期462億8200万円(37.8%増)98億9800万円(58.9%増)
2017年3月期425億3000万円(8.1%減)69億8800万円(29.4%減)
リゾートトラスト2016年2017年決算説明資料より


芦屋ベイコート倶楽部の会員集めが一巡し、苦戦している様子が見て取れます。年間推移で見ると、もっとよくわかると思います。

リゾートトラスト2017年3月期決算説明資料より

青がホテル、緑がメディカル施設、紫がゴルフです。ゴルフの会員はほとんどなく、メディカル施設は控えめに見ても横ばいといったところ。1980年代のバブル景気ならともかく、今の時代は高級ゴルフリゾートの会員権にお金をかける人は少なくなりました。それは紫の箇所が如実に表しています。また、高齢化社会に合わせたメディカル会員はまだまだ育っていません。

頼みの綱のホテル会員。2016年に芦屋ベイコートが爆発し、そこからスーッと勢いが消えていきます。ラグーナベイコート効果は見るも無残なもの。グラフで見るとわかりにくいですが、ホテルにおける2018年3月期計画と前期の差は、わずか8億円です。

さらにリゾートトラストに追いうちをかける出来事が。

施設の建築費用が高騰して利益を圧迫しているのです。オリンピック効果による建設ラッシュで人材と材料が不足し、価格が上がっています。その煽りを受けたのです。

中期経営計画で見込んでいた利益を2017年3月期は下回り、2018年も約70億円近く下がる見込みです。

リゾートトラスト2017年3月期決算説明資料より