ホテル特化型J-REITのジャパン・ホテル・リート投資法人(以下:JHR)<8985>が、不動産大手のヒューリック<3003>から、「ヒルトン東京お台場」を624億円で買収しました。売買成立は、4月8日となる予定です。ヒルトン東京お台場は、ヒューリックが2018年1月に600億円で買収していました。ヒューリックは、長い時間をかけて外資系ホテルの経営ノウハウを吸収する予定でしたが、思わぬ巨額買収話が舞い込んだ形。

JHRはヒルトン東京お台場に、どのような絵を描くのでしょうか?

ヒルトン東京お台場テラス席
テラス席での食事が人気


固定賃料は31億円、NOI利回りは4.4%

ヒルトン東京お台場は、お台場のフルサービス型4つ星ホテルです。客室数は453室、客室単価は28,000円超となっています。2015年10月にホテル日航東京からヒルトンにリブランドし、外国人比率が5ポイント上がりました。それにともない、客室稼働率が2015年の81.3%から2018年の94.0%まで、10%以上も改善されています。

ホテルへの投資額と、利回りはこのようになっています。

投資額固定賃料変動賃料NOI利回り
624億円31億円AGOPが29億7000万円を超えたとき、超えた額に30%乗じた額を徴収4.4%

2018年12月期決算説明資料より

固定賃料は31億円です。変動賃料は、AGOPが29億7000万円を超えた場合に、超えた額の30%を乗じた額とあります。AGOPとは、調整後GOPのことです。GOPから支払い手数料を引いたものです。GOPとは、ホテルの営業利益のことです。

ヒルトン東京お台場のGOPは、2018年の実績で30億9700万円です。そこから29億円を引くと1億2700万円。そこに30%をかけると3800万円です。これが変動賃料となります。金額が小さいため、ここでは固定賃料のみを扱うこととします。

NOI利回りは4.4%です。NOI利回りは、物件の修繕費などを加味したものです。逆算すると、年間27億4600万円が利益として得られ、3億5400万円が修繕費などとして消費される物件ということになります。

リートの場合、この物件すべてが証券化されて、投資家の利回りとなるわけではありません。銀行の借り入れを利用してレバレッジをかけるのです。その詳細を説明します(レバレッジ効果を知っている人は次の章へ)。

例えば、毎年5億円の利益が出るホテルを100億円で買ったとします。そのままホテルを買った場合の利回りは5%です。

レバレッジをかけて投資効果を上げるため、50億円を年利1%で銀行から借りたとします。ここでは便宜的に、金利だけ支払えば良いと考えましょう。銀行への金利の支払いは、毎年5000万円となります。ホテルは5億円の利益が出ますので、金利分の5000万円を引くと4億5000万円の利益が出ることとなります。

銀行からの借り入れが50億円でしたので、投資家の負担は50億円です。50億円で4億5000万円の利益が出ますので、9%の利回りが得られるようになりました。100億円で買った場合の利回りは5%。利回りが4ポイントアップしています。これがレバレッジ効果です。