日韓関係の悪化に伴う訪日韓国人観光客の減少などを理由に「コンフォートホテル」などを運営するグリーンズ<6547> が業績見込みを下方修正した。それによると、2020年6月期の売上高は前年度比1.7%減の303億6600万円、営業利益は同61.5%減の9億3500万円にとどまる。 

同社は2015年にビジネスホテルのベストを子会社化したあと、2017年に東証2部と名証2部に上場、翌2018年には両取引所の1部に昇格するなど順調に成長していたが、今回の下方修正で今後の足取りに黄色信号がともった。 

2020年6月期から2022年6月期までの3カ年の中期経営計画では新店投資と並行して、M&Aなどを含む新規事業への参入を掲げている。グリーンズはM&Aで再び成長軌道に乗ることはできるだろうか。

M&Aで新規事業に参入も

業績の下方修正の要因は来日韓国人観光客の減少に加え、2019年秋に相次いで接近した台風の影響や大都市での集客競争激化などにあるという。 

同社は当初、売上高は前年度比5.9%増の327億1800万円、営業利益は同14.4%減の20億8100万円を見込んでいた。ところが、売上高は減少に転じ、営業利益は半分以下の大幅減益に陥る。

グリーンズの売上高推移。2020年6月期は見込み
グリーンズの営業利益推移。2020年6月期は見込み

中期経営計画の初年度である2020年6月期の業績を下方修正したことで、出鼻をくじかれたわけだが、2022年6月期の目標である売上高385億3000万円は変更していない。 

同中計によると、戦略的アライアンスなどを通じ新規事業に参入し、成長と収益安定を実現するとある。その参入例として人材派遣、フィットネス、会議・研修・セミナーの運営受託、旅行代理店業、メディカルツーリズム(医療観光)、保育・介護などを挙げている。 

さらに実現するための具体的な手段として業務資本提携、ジョイントベンチャー設立、そしてM&Aを明記した。

今期(2020年6月期)の業績見込みの下方修正要因の一つが台風の影響といった一過性のものだったのに加え、2020年夏には東京五輪・パラリンピックが開催され、外国人観光客の増加が見込めるだけに、来期(2021年6月期)業績が好転する可能性は低くはないだろう。

M&Aなどによる新規事業への参入という切り札をどのタイミングで使うのか。五輪・パラリンピックは大きな要因になりそうだが…。

グリーンズは1957年に旅館業として創業、その後1969年にビジネスホテル業態に転換。1987年に現社名のグリーンズに変更した後、2003年に米チョイスホテルズインターナショナルとマスターフランチャイズ契約を結び、以後、コンフォートホテルの全国展開が可能になった。2019年6月30日時点でホテルは95店舗・客室数1万3485室に達している。

グリーンズの沿革
1957年 駅前旅館「新四日市ホテル」を創業
1969年 ビジネスホテルに業態転換
1987年 グリーンズに社名変更
1999年 コンフォートホテル1号店開業
2000年 日本チョイスを設立
2003年 日本チョイスが米チョイスホテルズインターナショナルとマスターフランチャイズ契約を締結
2004年 日本チョイスをチョイスホテルズジャパンに社名変更
2015年 ビジネスホテルのベストを子会社化
2017年 東証2部、名証2部に上場
2018年 東証1部、名証1部に昇格

文:M&A Online編集部