インバウンド向け旅行会社ハナツアー・ジャパン<6561>が実施した希望退職者の募集に、全従業員の15%に相当する24名が応募しました。韓国の大手旅行会社ハナツアー・サービス(本社:ソウル)の日本法人である同社は、2019年の日韓関係の冷え込みで9月以降は売上が60%以上も減少していた上、新型コロナウイルスの影響で2020年3月の売上高が前年対比1.8%(98.2%減)と急減していました。

ハナツアーは、コロナによる業績の悪化を受けて人員を削減するほか、大阪・九州・北海道・沖縄の営業所を閉鎖。観光バス事業も停止して従業員を解雇し、立て直しを図っています。

この記事では以下の情報が得られます。

・ハナツアーの業績
・韓国人観光客の推移

12億6700万円の単月売上が2300万円に

無人の空港
空港からは人の姿が消えた(画像はイメージ Photo by PAKUTASO)

ハナツアーは2017年12月にマザーズに上場しました。訪日外国人向けツアーの地上手配を中心に、旅行事業、貸し切りバス、免税店、ホテルなどの施設の運営をしています。2019年12月末時点で、51.6%の株式を親会社であるハナツアー・サービスが保有しています。

韓国人観光客の日本ツアーに強みを持っており、上場当時は勢いのある会社でした。2013年に東京オリンピックの開催が決定し、日本が海外観光客の呼び込みに力を入れていた時期です。

業績推移 (百万円)2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期
売上高 5,112 7,926 7,891 6,594
増減 - 55.0%増0.4%減16.4%減
営業利益 1,166 1,756 918 270
増減 - 50.6%増47.7%減70.6%減

潮目が変わったのが2019年8月の日韓関係の急速な悪化。徴用工問題などを背景に、戦後最悪と言われるほどまでに冷え込みました。そこに新型コロナウイルスによる大変動が起こったのです。

下のグラフは2019年1月の訪日外国人数を1とした場合の指数の推移です。青が総数、オレンジが韓国人観光客です。2019年1月の総数(青)は269万人。コロナウイルスによって2020年2月は109万人と前年比58%も減少。3月は93%減少して19万人となりました。韓国人観光客は両国の関係が悪化した2019年9月の段階で20万人となり、58%も減少していました。そして2020年3月は1万6000人ほどにまで減っています。

※日本政府観光客の統計データをもとに筆者作成

ハナツアーは両国の関係とコロナに振り回されることになりました。2019年1月からの売上推移は韓国人観光客数の推移と非常に近い動きをしています。

2019年 売上高(百万円) 前年比 2020年 売上高(百万円) 前年比
1月 1,387  60.0% 1月 502  36.2%
2月 1,399  72.5% 2月 199  14.2%
3月 1,267  76.2% 3月 23  1.8%
4月 1,412  72.3% 4月 - -
5月 1,176  74.5% 5月 - -
6月 1,103  78.7% 6月 - -
7月 984  83.1% 7月 - -
8月 532  43.1% 8月 - -
9月 279  32.9% 9月 - -
10月 399  32.3% 10月 - -
11月 385  33.5% 11月 - -
12月 432  38.3% 12月 - -

※ハナツアー月次報告より筆者作成

コロナの影響により、2019年3月に12億6700万円だった売上高は2300万円まで減りました。