旅行会社に新しい動きが広がってきた。JTB(東京都品川区)は企業や自治体などに、ワーケーション(リゾート地などで働きながら休暇を取得する仕組み)商品を提供するビジネスに乗り出すほか、エイチ・アイ・エス<9603>はタイで家電の販売を始めた。 

新型コロナウイルスの影響で従来の旅行商品の販売に急速な回復が見込めないことから、新たな収益源を模索する取り組みといえ、今後他の旅行会社にも波及しそうだ。 

ワーケーション型商品を開発 

JTBは個人や法人を対象にしたワーケーション型商品を開発する。旅行先で休暇の合間に半日や数日仕事をする個人や、研修やオフサイト会議(職場から離れた非日常の環境で行う会議)を実施する企業などに売り込む。

このほか、企業や従業員のニーズを踏まえ、自治体や観光事業者とのマッチングを行うのをはじめ、自治体や観光事業者と連携したワーケーション関連コンテンツの開発などにも取り組む。

同社ニュースリリースより

新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、政府がテレワーク拡大の協力を呼びかけたことなどを踏まえ、ワーケーションに対する需要があると判断した。 

同社では具体的な提案事例として、沖縄県のリゾートホテルでの長期滞在型のリゾートワーケーションや、和歌山県の白浜で、60平方メートル(16人収容)の1室を企業向けに1日単位で貸し出すプランなどをあげている。

スティッククリーナーなどを販売 

エイチ・アイ・エスのタイ現地法人は、タイの家庭や職場向けにリーズナブルな価格で技術水準の高いアイリスオーヤマ(仙台市)の家電の販売を始めた。 

日本製品を通じて日本との新たな関わりを生み出すのが狙いで、今後商社としての機能と、事業の拡大を目指すという。 

販売する家電製品はスティッククリーナー、空気清浄機、ふとんクリーナーなどで、扱い品を順次増やしていく。 

エイチ・アイ・エスは海外69カ国163都市268カ所(2020年7月10日時点)に拠点を持つ。世界に進出する企業との協業や、製品の海外販売を支援するサービスに取り組んでいる。今回はアイリスオーヤマのタイ進出を機に、販売支援で合意した。 

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で観光業界は大きなダメージを受けている。7月23日にスタートした政府のGoToキャンペーンも東京都が除外されるなど盛り上がりに欠ける展開となっている。 

旅行需要の本格的な回復までには時間がかかることが予想されるため、生き残りをかけた旅行会社のさまざまな取り組みが今後表面化しそうだ。

販売する家電製品(同社ニュースリリースより)

文:M&A Online編集部