西武ホールディングス<9024>傘下の遊園地『としまえん』が、段階的に閉鎖をするとの観測が出ています。跡地には「ハリー・ポッター」のテーマパーク建設や、東京都が大規模な公園を整備するとの計画も。2月3日に小池百合子知事は「まだ交渉の段階だと思う」と回答しました。「『としまえん』はもともと防災拠点であり、そこをうまく活用すると聞いている」と述べており、着実に交渉が進んでいることを滲ませました。

綜合ユニコムの「全国の主要レジャー・集客施設 入場者数ランキング 2018」によると、『としまえん』の入場者数は前年比2.3%減の93万3719人。大阪府の『ひらかたパーク』(120万757人)よりも22%少なく、遊園地の中では4位に留まっています。

東京ディズニーランドが0.3%増の3010万人、サンリオピューロランドが9.6%増の198万人と、遊園地からテーマパークへと人気が移り、大正15年に開園した歴史ある『としまえん」は閉鎖へと追い込まれそうです。

この記事では以下の情報を得ることができます。

  • ・としまえんの業績推移
  • ・としまえんの土地価格
  • ・遊園地の来場者数推移

                                                  

業績は苦戦続きの『としまえん』

西武鉄道
西武グループ創業者・堤康次郎氏の葬儀も行われた

『としまえん』は練馬区に庭園などを備えたレジャー施設『練馬城址豊島園』として1926年に開業しました。1929年にプールが完成し、池袋エリアににぎわいを創出しました。1931年に競売にかけられ、安田信託銀行が落札。その後、経営者が転々としますが、1939年に現在の西武池袋線を敷設した武蔵野鉄道が経営会社を吸収合併します。

武蔵野鉄道は、沿線の不動産開発を行っていた箱根土地株式会社(後のコクド。現在のプリンスホテル)に株式を譲渡。1963年に西武鉄道が施設を運営する株式会社豊島園を合併。その年に(新)株式会社豊島園が誕生しました。社長に西武グループ創業者・堤康次郎氏の四男・康弘氏が就任しています。1964年には『としまえん』で堤康次郎氏の葬儀も行われました。なお、堤康弘氏は2005年3月経営上不正な行為があったとして解任されています。

『としまえん』は流れるプールを世界で初めて設置し、ウォーターシュートを営業用として日本で初めて導入。先進的な取り組みをしていたことで知られています。また、水着姿の野村沙知代さんをポスターに起用するなど、独特な広告展開をする注目度の高い施設でした。

しかし、近年の業績はパッとしない状態が続いています。2019年3月期の純利益はわずか50万円ほどでした。

〇豊島園業績推移(千円)

2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
純利益△65724△221527

決算公告より筆者作成

わずかな黒字と赤字の間を行き来している状態が続いています。