結婚式場紹介サービス「gensen wedding」を提供するベンチャー企業「リクシィ」が、事業拡大のため、5500万円の資金を調達しました。個人投資家の杉山慎一郎氏や、新井元基氏などを引受先とする、第三者割当増資を実施した形。資本金は1億1300万円に膨らみました。ブライダル業界では、この手の売却益・上場益を狙うベンチャー企業への投資は珍しいです。なぜなら、「ゼクシィ」→「結婚式場」→「ウエディングドレス」という購買プロセスが一切変わらない業界で、新興企業の入り込む余地がないから。しかしながら、その図式も活況な資金調達市場により、変わるのかもしれませんね、という話です。

この記事では、以下の情報が得られます。

①ブライダル業界の集客モデル

②結婚式場の探し方がこの先どうかわるのか?

花嫁
花嫁


ゼクシィが壊した業界の常識と功罪

現在、ブライダル業界が抱えている闇の説明から入ります。良くも悪くも、リクルートホールディングス(以下:リクルート)<6098>の「ゼクシィ」がもたらしたものです。

ポイントは2つ。

①苛烈な競争による広告費の高騰

②結婚式で何を実現するか、という本来の目的が抜け落ちたこと

まずは送客の歴史から。

80年代、結婚式場は椿山荘や八芳園、互助会の会場などが婚礼客を引き寄せていました。旅行代理店のような送客エージェントが活躍していた時代です。90年代に入ると、バブル崩壊で企業パーティーを受注できなくなったホテルが、婚礼需要取り込みへと本格的に動きました。

そんなときに誕生したのが「ゼクシィ」です。1993年創刊当初は出会い系の走りのような雑誌でしたが、1995年ごろから結婚式場紹介にかじを切りました。

バンケットの空白を埋めようと必死だったホテルが、大量出稿するようになります。90年代後半に入ると、ゲストハウスと呼ばれる結婚式場が台頭。一軒貸切スタイルでホテルと差別化を図り、人気を博します。ホテルとゲストハウスは熾烈な戦いをすることとなりました。

笑いが止まらないのがゼクシィ。1990年代にはすでに「結婚が決まったらゼクシィを読む」という常識ができていたため、いかに紙面で目立たせるか。すなわち、できるだけカネを出してページを独占する。という戦いになっていたわけです。

ゼクシィの1ページ当たりの出稿費用は100万円以上。結婚式場は宣伝費に資金を投じ、サービスの質向上を怠るようになったと言われています。ここまでが一つ目の問題点です。

次は二つ目。

結婚式場がこぞって出稿するようになったので、ゼクシィは当然「どこで結婚式を挙げるか」に目を向けることとなります。そしてそれは新郎新婦も同じ。

「結婚式で何ができるのか」を知らないまま、結婚式場へと足を運んだカップルは、いわば”カモネギ”。成約後は、次々とオプションアイテムを提案され、当初の見積り金額プラス200万円などというのは当たり前の世界です。

結婚式の平均単価は360万円ですが、成約前の初期見積りで提案されるのは300万円を切るパターンが多いです。

成約後の単価を上げるプロセスはこんな感じ。