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アリババ、東南アジアの通販大手「ラザダ(Lazada)」を買収

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中国企業の買収事例1:阿里巴巴集団(アリババ・グループ)

中国企業のM&A戦略について、日本企業以外の外国企業と関連する部分にスポットを当てて紹介する。連載第6回は、10月10日の米株式市場で、時価総額が4,700億ドル超(約52兆6400億円)と米国アマゾンを上回ったアリババ・グループ(阿里巴巴集団)を取り上げる。

2016年、中国の電子商取引(EC)最大手であるアリババ・グループは、ドイツ投資会社系の同業大手で東南アジアで事業展開する「ラザダ(Lazada)」を買収すると発表した。

買収額はアリババ・グループにとって過去最高となる約1,080億円(10億米ドル)、そのうち約540億円(5億米ドル)でラザダの新株を取得し、残りの約540億円(5億米ドル)でイギリスのスーパーマーケット大手等の既存株主から保有株を買い取った。2017年6月には、さらに約1,100億円(約10億ドル)を追加投資し、出資比率を83%に引き上げ連携を強めていくと発表した。[*1]日経電子版 2016年4月12日より

中国で成長を続ける、アリババ・グループ

アリババ・グループは、1999年に中国の杭州市で、ジャック・マー(馬雲)氏とその仲間たちにより創業された。電子商取引を通じて中国の中小企業のサポートをしたいという理念のもとに創業されたアリババ・グループは、企業間電子商取引をサポートするマッチングサイト「アリババ・コム」を始める。

中国のインターネット黎明期であったこともあり、「アリババ・コム」は多くの会員を集め、瞬く間に急成長を遂げる。その後、「アリババ国際サイト」や「アリババ日本サイト」などのサービスも立ち上げた。

淘宝網(タオバオワン)の登場で消費者行動が大きく変わる

企業向けサービスを展開していたアリババ・グループは、2003年に消費者向けサービスを始める。「淘宝網(タオバオワン)」である。

淘宝網の登場は、当時の中国一般消費者の買い物の方法をがらりと変えてしまった。淘宝網が普及する前、中国においてインターネットで買い物ができなくはなかったが、大きなプラットフォームは存在せず、それぞれの企業・個人が独自にウェブサイトで販売を行っているという状況だった。

当然のことながら決済システムも確立されていなかったため、中国国内では「お金を支払ったのに、商品が届かない」といった、詐欺やトラブルに会うケースが非常に多かった。淘宝網が普及する前の中国においては、「インターネットで買い物する」ことは、「騙される確率が非常に高い」ことと同義だったと言っても過言ではない。 

爆発的に利用者を増やしたタオバオとアリペイ

淘宝網の普及で、一般消費者は安心してインターネットで買い物できるようになった。淘宝網の独自決済システムである「支付宝(アリペイ)」は、買い手に商品が届き、それが問題ないことが確認されてはじめて、売り手に代金が支払われる仕組みだからだ。

その結果、淘宝網の利用者は爆発的に増え、2011年には登録者数が3.7億人に達し、アジアで最大の消費者向け電子商取引ウェブサイト(ECサイト)になった。[*2]シナ・ドットコム 2011年1月6日より

ニューヨーク市場での上場と中国での圧倒的なシェア

アリババの存在は、世界の株式市場にも影響を及ぼしている。「アリババ・ドットコム」は2007年に香港証券取引所のメインボードに上場した。時価総額2兆円を超え、当時世界史上最大のIPOとして話題になった。(2012年に香港証券取引所の上場を廃止。)

そして、2014年、アリババ・グループはニューヨーク証券取引所に上場した。大型の新規上場として高い関心を集め、上場当時は、時価総額約25兆円(約2,310億米ドル)であり、米国ハイテク株の代表格であるアマゾン・ドットコムやフェイスブックなどを大きく上回っていた。[*3]日経電子版 2014年9月20日より 

アリババ・グループは、その後も順調に成長を続けている。近頃、ジャック・マー氏は「アメリカ人はアリババの株を買うが、アリババのサービスを利用したことはない」と冗談めかして発言したとされているが、実はアリババの中国以外の国での認知度はあまり高くない。

中国では圧倒的なシェアと売上を誇るアリババ・グループにおいて、中国での収益が成長を牽引していることは間違いないが、中国で成長を遂げれば遂げるほど、海外の収益比率が下がるというジレンマを抱えている。

モバイル小売業の中国国内シェア(2015年)btrax.com

海外でのM&A事情

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