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【ノーリツ鋼機】迅速な事業の「売りと買い」で安定成長を目指す

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医療からものづくりへ買収の矛先を変える

2014年8月に人工関節・人工骨製造販売のエム・エム・ティー(大阪府)、同12月にはペン先などの文房具部品や医療用カテーテルの素材を製造するテイボー(静岡県)の完全子会社化をそれぞれ決めている。多数の買収を進める一方で「見切り」も早い。2016年2月にアイメディックとエム・エム・ティーの売却を決めた。エム・エム・ティーについては、買収決定からわずか1年半で放出を判断したことになる。

ノーリツ鋼機は、医療分野の中でも成長性の高い医療情報事業やバイオ分野を中心とした事業に、経営資源を集中。翌月の同3月に胎児DNA検査サービスを手がけるGeneTech(東京都)の株式64.7%を30億2000万円で取得し、子会社化した。

GeneTechは母体血による胎児遺伝子検査技術である無侵襲的出生前遺伝子検査(NIPT)の国内パイオニア企業。高齢出産が増加する中、NIPTは母体や胎児に対するリスクが低く、検査精度が高い遺伝子検査として強いニーズがある。

GeneTechの出生前遺伝子検査の流れ(同社ホームページより)

さらに同月には北海道大学発のバイオ医学ベンチャーで免疫関連タンパク質の研究成果を応用した診断薬や治療薬を開発するジーンテクノサイエンス<4584>を、第三者割当増資TOB株式公開買い付け)により111億円で株式の過半数を獲得して子会社化すると発表した。

2カ月後の同5月には保険薬局向けレセプト処理システムなどを開発するユニケソフトウェアリサーチ(東京都)を33億1000万円で完全子会社化すると発表。M&Aにより、バイオ医療や医療情報事業での底固めを進めた。

その一方でノーリツ鋼機は、医療ビジネス以外にも目を向ける。2017年8月に少額短期保険事業を運営する日本共済(東京都)の全株式を14億7000万円で取得して子会社化すると発表した。日本共済が主力とする家財保険分野は、賃貸入居者に特化した補償などを背景に契約件数が飛躍的に伸びていることから、新たな成長分野とみてM&Aに踏み切る。

さらには再び祖業以来の「ものづくり」にも力を入れ始めた。2019年2月にはPBT(化学繊維)ブラシ製造のsoliton corporation(京都府)を子会社化している。soliton corporationはPBTブラシのパイオニア企業で、筆ペンやアイライナー、アイブローなどのブラシを累計2億本以上も納入している。

ノーリツ鋼機では2014年に子会社化したテイボーがペン先部品で培った技術を生かして各種化粧品の中継芯などのコスメ事業を展開しており、soliton corporationの買収でグループ内でのシナジー(相乗効果)を狙った。

M&A Online編集部

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