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中華料理の「日高屋」が赤字転落 コロナ後の戦略は?
中華料理の日高屋などを展開するハイデイ日高の2021年2月期は、営業、経常、当期の全段階で損益が赤字に転落する。多くの外食店が苦境に立たされており、中華料理もコロナ禍に屈した格好だ。
木曽路が適示開示したM&Aは建部食肉産業のほかにもう一件ある。2021年1月に子会社化した大将軍(千葉市)がそれで、同社の2020年6月期の売上高は47億4200万円に達しており、木曽路の売上高に占める割合は10%を上回る。
大将軍は1974年の創業で「大将軍」「くいどん」の焼肉店を、千葉県を中心に東京都、神奈川県などの首都圏で店舗展開している。木曽路、大将軍両社の強みを生かすことで、商品やサービスの価値を高めることができると判断し、子会社化に踏み切った。
すでに「大将軍」「くいどん」の東海地区への出店を計画を打ち出しており、名古屋市内に2工場を持つ建部食肉産業との相乗効果も見込まれる。
木曽路は1950年に名古屋市内で「喫茶まつば」を開業したのが始まりで、しゃぶしゃぶの「木曽路」を開業したのは「喫茶まつば」の開業から16年後の1966年。1971年にはファミリーレストラン「地中海」を開業(1999年に撤退)を、1976年には居酒屋の「居来瀬」(現「素材屋」)を開業した。
1996年に焼肉の「じゃんじゃん亭」を開業したのに続き、2000年に鶏料理の「とりかく」を、2007年に和食しゃぶしゃぶの「鈴のれん」を、2012年にワイン食堂の「ウノ」を、2018年にからあげ専門店の「からしげ」を、2019年に酒場の「大穴」を次々に開業。新業態の開拓に力を注いできた。
この間、M&Aには縁がなかったが、2021年に大将軍、2022年に建部食肉産業と2年連続でM&Aを実施しており、「時間を買う」と言われるM&Aの活用にカジを切ったことがうかがえる。
同社は、中期的経営方針の一つに「新規出店と新事業の開発を推進し、事業基盤を拡充する」ことを掲げており、今後M&A戦略を加速させる可能性は低くはなさそうだ。
年 | 木曽路の沿革 |
---|---|
1950 | 名古屋市内で「喫茶まつば」を開業 |
1966 | 民芸風しゃぶしゃぶ「木曽路」を開業 |
1971 | ファミリーレストラン「地中海」を開業 |
1976 | 居酒屋の「居来瀬」(現「素材屋」)を開業 |
1987 | 名古屋証券取引所2部に上場 |
1994 | 名古屋工場を建設 |
1996 | 焼肉「じゃんじゃん亭」を開業 |
1999 | ファミリーレストラン「地中海」を撤退 |
2000 | 鶏料理「とりかく」を開業 |
2000 | 東京証券取引所2部に上場 |
2001 | 東京証券取引所、名古屋証券取引所1部に上場 |
2007 | 和食しゃぶしゃぶ「鈴のれん」を開業 |
2012 | ワイン食堂「ウノ」を開業 |
2018 | からあげ専門店「からしげ」を開業 |
2019 | 酒場「大穴」を開業 |
2021 | 大将軍を子会社化 |
2022 | 建部食肉産業を子会社化(10月の予定) |
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中華料理の日高屋などを展開するハイデイ日高の2021年2月期は、営業、経常、当期の全段階で損益が赤字に転落する。多くの外食店が苦境に立たされており、中華料理もコロナ禍に屈した格好だ。