【サンドラッグ】8年ぶりにM&Aを再起動「1兆円」企業を見据える

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サンドラッグ…おなじみの店舗看板

コロナ反動減で3年ぶり営業減益

コロナ禍が長引く中、ドラッグストア業界は感染予防対策商品(マスク、消毒液など)や食料品・日用品の巣ごもり需要の反動減が出ているうえ、インバウンド需要の消失で一般医薬品・化粧品需要の回復も見通せず、厳しい局面に置かれている。その一方で、出店競争は衰えておらず、各社とも利益確保に一層難しいかじ取りを求められている。

サンドラッグの2022年3月期業績は売上高2.3%増の6487億円、営業利益8.8%減の340億円、最終利益5.8%減の238億円。このうち、本業のもうけを示す営業利益は3年ぶりに減益となった。

◎サンドラッグの業績推移(単位億円。2023/3期は予想、26/3期は計画)

2021/3期 22/3期 23/3期 26/3期
売上高 6343 6487 6930 1兆円
営業利益 373 340 354 600
最終利益 253 238 242

買収でディスカウントストアに参入

実は、サンドラッグはドラッグストア事業だけの会社ではない。東日本地区ではあまり知られていないが、ディスカウントストア事業をもう一つの顔とする。サンドラッグの総店舗数1286(2022年6月末)のうち、ドラッグストア事業946店舗(うち直営店749)に対し、ディスカウントストア事業は335店舗を数える。

サンドラッグが九州・中四国を地盤とするダイレックス(佐賀市)を95億円で買収し、ディスカウントストア事業に参入したのは2009年。当時、ダイレックス店舗数は136だったが、現在では2.5倍に拡大している。

2022年3月期の売上高を部門別にみると、ドラッグストア事業4248億円(前期比0.6%増)、ディスカウントストア事業2698億円(同5.5%増)。ドラッグストア事業が65%、ディスカウントストア事業が35%で、経営の両輪をなしている。

ドラッグストア事業でもM&Aが一役買っている。ダイレックスを子会社化した2009年に星光堂薬局(新潟市)、2011年にサンドラッグ東海(名古屋市)を傘下に収めた。この2社は今回子会社化する大屋と同じく各エリアのフランチャイジーとして店舗展開していた。そして2014年に札幌市のサンドラッグプラスを子会社化した。

2026年3月期に「1兆円」目指す

サンドラッグは中期経営計画で2026年3月期に売上高1兆円、営業利益600億円、1750店舗を数値目標として掲げる。出店、M&A、EC(ネット販売)事業強化、調剤事業強化の4つを重点戦略として推進する。

ドラッグストア事業では引き続き全国ベースで出店拡大を進める。一方、ディスカウントストア事業では約30店舗にとどまる東日本地区への出店加速を課題としている。

計画によると、M&Aによって売上高ベースで1000億円規模の積み上げを想定している。ドラッグストア事業に加え、ディスカウントストア事業で新たなM&Aに着手するのか。それとも第3の柱を見据えたアプローチになるのか。

◎サンドラッグ:主な沿革

出来事
1957年 東京都世田谷区で創業
1965年 サンドラッグを設立
1987年 東京都府中市に本社を移転
1994年 株式を店頭登録
1996年 千葉県で調剤薬局を展開するタイセーホームエイドを子会社化
1997年 東証2部に上場
1998年 栃木県で調剤薬局を展開するコミネを子会社化
2002年 東証1部に上場
2007年 神奈川県でホームセンターを展開するアクトを子会社化・吸収合併
2008年 化粧品・美容雑貨販売のビーアンドエイチアメミヤ(現ピュマージ)を子会社化
2009年 フランチャイジーの星光堂薬局(新潟市)を子会社化
九州・中四国でディスカウントストアを展開するダイレックス(佐賀市)を子会社化
2011年 フランチャイジーのサンドラック東海(名古屋市)を子会社化(2013年に吸収合併)
2014年 フランチャイジーのサンドラッグプラス(札幌市)を子会社化
2022年 3月、スキンケアブランド「Skinvill」をI-ne(大阪市)から取得
4月、東証プライム市場に移行
10月、フランチャイジーの大屋(愛媛県西条市)を子会社化

文:M&A Online編集部

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