2018年度(平成30年度)の税制改正では、中小企業のM&A を支援する直接的な制度(文末の記事を参照)のほかにも、中小企業経営にとってプラスとなる制度がいくつかある。これら制度を活用して業績が好転すれば、その後の事業展開の一つとしてM&Aなども浮上してくるはず。国はどのような支援策を用意しているのか。主な三つの制度を紹介する。

法人税率負担を25%に引き下げ

 一つは設備投資や賃上げ、人材育成に積極的に取り組む企業に対する法人税負担が25%にまで引き下げられる制度。

 2013年度に37%だった法人税は2017度年には29.97%になっており、この5年間で7%超が引き下げられた。2018年度はさらに29.74%に引き下げられる計画だ。

 今回の制度は2020年度(平成32年度)までの3年間に限り、法人税をさらに引き下げ、OECD(経済協力開発機構:日、米、欧35の先進国が加盟する国際機関)平均の24.78%に近づけようというもの。

 減税の対象となるのは賃上げ率3%以上、あるいは国内の設備投資額が減価償却費の9割を超える場合などとなっている。

 ちなみにアジア諸国の法人税の平均は21.87%、このうちシンガポールが17.00%、韓国は24.20%、中国は25.00%といった水準。欧米は高くフランスは33.33%、ドイツは29.79%、米国は現在40.75%だが、引き下げが見込まれており、実現すれば27.98%となる。

生産性向上投資に対し特例措置

 二つ目は中小企業の生産性を高めるために、償却資産に係る固定資産税の特例措置を2020年度(平成32年度)までの3年間に限って講じる制度。

 中小企業の労働生産性は低く、大企業との差が広がる傾向にある。また中小企業の生産設備は老朽化が進んでいるという現状もある。これら課題を解決する方策として今回の制度が新設される。

 対象は商工会議所などと連携して設備投資計画を策定するか、自社で策定した設備投資計画が市町村に認定されるかのいずれかが条件。同時に設備投資により労働生産性が年平均3%以上向上すること、生産、販売活動で直接用いられる新たな設備投資であることーが求められる。これら要件を満たせば、特例率は3年間ゼロ以上、2分の1以下で市町村の条例で定める割合とする、となっている。