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株式対価M&Aが容易に 譲渡益の課税を繰り延べ

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   TOBの大型化に道  

  2018年度から株式対価M&Aに関する株式譲渡益への課税が繰り延べされる見通しとなった。実現すれば自社株を対価とした事業再編や、大型のM&Aが容易になるため、日本経済の活性化が期待できる。次期通常国会で正式に決定され、2018年度に施行される。

    現在、買収対象会社の株主が買収会社の自社株式を対価とする買収に応じ、対象会社株式を譲渡する際には課税負担が生じている。これが2018年度からは課税が繰り延べされることになる。現行の制度では納税資金の確保のために取得した買収会社の株式を売却するなどの措置が必要となるため、日本では株式対価M&Aはほとんど行われてこなかった。これが2018年度からは課税が繰り延べされ、納税資金の確保が必要なくなるため、株式対価M&Aが増えるものとみられる。

    この税制改革を求めていた経済産業省では、今後資金に余裕のない新興企業でも買収が容易になるほか、大型案件で銀行借り入れでの資金調達に制約がある場合でも買収が可能になるとみる。さらに買収資金として現預金をため込んでおく必要がなく、手元資金を設備投資などに回せるため経済全体に与える影響は大きいという。

    経済産業省によると大規模なTOBで使用される対価の種類は、米国が現金45%、株式20%、現金と株式の組み合わせ35%であった。イギリスやフランスなどでも株式が15%-30%を占めるのに対し、日本では対価は現金が100%であり、株式を対価とするTOBは全くなされていない。また日本では1億ドル未満のM&A件数が欧州とほとんど変わらない水準にあるのに対し、1億ドル以上のM&A件数は10分の1ほどしか行われておらいず、大型案件が少ない状況が続いていた。

    経済産業省は今回の税制改革に伴い、大規模なM&Aや大胆な事業再編を後押しする方針で、自動運転関連やサプライチェーンの次世代化、快適なまちづくりなどでM&Aの増加を見込む。


文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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