menu
Social media

法律・マネー

【M&Aと税務】繰越欠損金がある会社の買収は節税効果あり?

Cover d2896b84 d53a 4de1 ac23 03abf8463731

M&Aで買収する会社に繰越欠損金がある場合の取扱い

繰越欠損金のある会社を買収するときに気を付けること

 M&Aの現場では、事業運営上の観点から買収したい会社にたまたま繰越欠損金があるケースに遭遇することはめずらしくありません。繰越欠損金には、節税効果があります。というのは、繰越欠損金は会社で過去に生じたマイナスの所得であり、会社で所得が出たときに相殺することになるためです。

 もう1つのケースとして、繰越欠損金の節税効果の観点から事業目的がないにもかかわらず、繰越欠損金を持っている赤字会社を買収して、黒字会社と赤字会社を合併させることによって節税をはかるケースも考えられます。法人税法では、赤字会社を買収し、黒字会社と合併させて赤字と黒字を相殺するという租税回避防止のために、繰越欠損金を一部使えないように制限する等の取扱いが定められています。

 節税目的だけではない場合であっても、その取扱いにひっかかるケースがありますので、繰越欠損金がある会社を買収する場合は、買収会社はその繰越欠損金の取り扱いがどうなるのか、細心の注意を払う必要があります。

 本稿では、M&Aの実務の場面に限定をして、繰越欠損金や含み損のある資産を保有する会社を買収した場合の取り扱いについて基本的なところをわかりやすくお伝えします。

会社の事業を立て直し、利益を出した場合

 繰越欠損金のある会社を株式取得により買収した場合、被買収会社は買収会社の子会社となります。買収会社は、被買収会社が子会社の状態のままで経営陣を送りこむなどにより、順調に利益を出すことができたとしたら、それは買収会社の手腕で黒字転換ができたわけですから、特に法律上制限されることはありませんので、繰越欠損金と利益は相殺されます。

繰越欠損金のある子会社を合併する場合

 次に、M&A後に買収会社と被買収会社が事業統合する場合をみていきます。

(1)合併における繰越欠損金の引継ぎ

 組織再編成行為のうち2つの会社を1つにする合併については、税制上で適格とされる合併を行った場合には、合併される側の会社が有する繰越欠損金を原則的には引き継ぐことができます。それに対して、税制上で適格要件を充足しない非適格合併を行った場合は、繰越欠損金を引き継ぐことはできずに、その欠損金は切り捨てられてしまいます。

(2)繰越欠損金の引継ぎ制限

 先に述べたとおり、繰越欠損金の不当な利用を防止するために、(1)の繰越欠損金を引継ぐためには一定の要件が定められています。

税制・税務

NEXT STORY

米テスラのM&A加速の裏にトヨタの提携解消が?

米テスラのM&A加速の裏にトヨタの提携解消が?

米電気自動車(EV)メーカーのテスラは2017年11月6日、米自動工作機械メーカー・パービクスの買収を発表した。テスラは新型セダンの量産でつまずいており、生産技術を向上するのが狙いのようだ。同社は16年11月にも独機械設備メーカーを買収しており、今後も生産技術関連のM&Aに力を入れることになりそうだ。


注目の記事

Thumb e1b02e19 e880 4647 9b2e 9735a2922dd8

【リコー】「再成長」へM&A投資 2000億円

リコーが2018~19年度にM&Aに2000億円超を投資する方針を打ち出した。同社にとって大命題は「再成長」の一語に集約される。業績は10年近く一進一退が続き、伸びを欠いたままだ。リコー復権ののろしは上がるのか?

Thumb 88ffbc7d d8c1 4c46 a94a d5f6737c0e91
Thumb 5535fbd2 d91a 4fbd a0be 6bc68475be6d
Thumb 856a8cb3 bfab 4046 a298 284e67090c4c