シリーズ中小企業経営・事業承継に活用したい手法 その8

-「平成29年度税制改正で大きく変わった事業承継税制-2」

シリーズ事業承継の活用手法として、中小企業の事業承継や 財産の分散防止に効果的な信託などを解説しています。今回は平成29年度税制改正において、非上場株式の評価方法が大きく変わりました。
株価が“67%”も上昇する事例が頻発しています。先月より「平成29年税制改正における事業承継税制の改正とその対応策」をお伝えしていますが今回は第2回です。

(1) 非上場株式の評価方法の変更~利益係数の変更の影響
(2)非上場株式の評価方法の変更~評価区分の変更の影響
(3)事業承継税制と相続時精算課税制度が併用可能に

前回は、非上場株式の評価は 配当:利益:簿価純資産を一定割合で評価しており、従来は 1:3:1で評価していましたが、改正後は1:1:1で評価します。
利益の比重が少なくなり、配当と純資産の比重が高くなったと言えます。
「利益が多い会社の株価は安く、純資産の多い会社が高くなる」「利益が減ったり赤字になれば株価は一気に下がる」という手法はどんどん使えなくなり、改正後67%もの大幅な株価上昇となるケースもあることをお伝えしました。

一方で株価が下がるケースもあり、今回はその下がるケースについてお伝えしましょう。

今回変わるのは会社区分の変更になります。
非上場株式は会社区分によって“大会社”“中会社”“小会社”に区分しており、それぞれ“純資産価額”と“類似業種比準価額”を加重平均して決めています。
原則として、大会社であれば 類似業種比準価額が100%で評価することになっています。

中会社であれば類似が60%から90%の範囲 残りが純資産小会社であれば類似と純資産の折半となります。一般的に株価の高い会社は純資産のほうが2-10倍高いケースが多く会社区分が大きくなればなるほど一般的には株価は引き下がります。

今回の改正は
(1)大会社・中会社(大・中・小)の範囲が総じて拡大
(2)従業員数の基準が引き下げ、年間の取引金額基準も大きく引き下げ
(3)卸売業を除き、帳簿上の総資産価額の基準も引き下げ(大・中会社)

となり、ほとんどの会社で変わらずもしくは引き下げになり上位の会社区分になりやすくなります。
つまり株価が大幅に引き下がる可能性があります。
特に大会社になると株価が半額になるようなケースもありますので、是非自社の会社区分の変更の影響を確認し、一度自社株の評価は見直してみましょう!(昨年とは2割3割当たり前!にかわっています)

次回は「平成29年度税制改正で大きく変わった事業承継税制 その3」、その後「無議決権株式と属人株式の活用」と続く予定です!

本記事は、 メルマガ「ビジネス・ブレイン通信」より転載しております。

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