ヤマダ電機 <9831>が2019年12月30日をめどに、業績不振に苦しむ大塚家具<8186>が実施する約43億円の第三者割当増資を引き受け、子会社化すると発表した。増資が完了すれば、ヤマダ電機の大塚家具への出資比率は51.34%となる。大塚家具はすでに業務提携をしているヤマダ電機との協業を強化し、経営再建を目指す。

なぜヤマダは「火中の栗」を拾うのか

2020年早々には資金ショートが懸念されていた大塚家具としては「首の皮一枚」の状況から、ようやく復活の道筋がついたことになる。大塚家具はこれまでも貸会議室大手のティーケーピー<3479>や中国家具販売最大手のイージーホームなどに支援を求めたが、大塚家具の大塚久美子社長が辞任を拒否したため頓挫。社長続投を容認したヤマダ電機は、久美子社長にとってはまさに「渡りに船」だった。

一方、ヤマダ電機は、なぜ「火中の栗」である大塚家具を、経営不振から脱却できなかった久美子社長ごと引き受けたのか?子会社化が明らかになった12日には、大塚家具株が前日比50円(30.9%)高の212円とストップ高水準まで高騰したのに対してヤマダ電機株は一時前日比20円(3.5%)安の559円に下落している。

記者会見で、ヤマダ電機の山田昇会長は「大塚家具は粗利益率が高く、信用を回復して少し売り上げが伸びれば黒字化できる」と、経営再建に自信を見せた。2020年4月期(16カ月変則決算)の営業利益予想は未定(それまでの予想は1億5700万円の黒字)ながら、2019年11月14日に発表した大塚家具の2019年1-9月期決算では営業利益は29億1800万円の赤字と赤字幅を前年同期の48億6300万円から19億4500万円ほど圧縮している。総利益率は改善しているが、売上高の激減に追いついていない状況だ。ヤマダ電機の支援で売り上げが反転すれば、一気に収益が改善する可能性がないわけではない。

とはいえ、久美子社長の経営手腕以前に、高級家具市場自体が厳しい状況にある。ヤマダ電機にどのような「勝算」があるのだろうか。同社の狙いは「家具販売」自体にないのは明らかだ。大塚家具はヤマダ電機の事業を補完する「アクセサリー」にすぎない。