バッグメーカーのエース(東京都渋谷区)は老舗革鞄メーカーの大峽製鞄(おおばせいほう、東京都足立区)を子会社化した。
大峽製鞄が培ってきた手作業による鞄づくりの技術と伝統を次世代へ継承するとともに、エースグループの品ぞろえの拡充やシェア拡大などが狙いだ。
大峽製鞄はビジネスマンにとって馴染みの深いアタッシェケースやビジネスバッグ、財布、革小物などを手がける。大峽製鞄とはどのような企業なのか。
大峽製鞄のモノ作りの原点はランドセルにあるという。200以上のパーツを手作りでまとめ上げる作業は日本独特で、この技術を用いて総手縫いアタッシェケースやダレスバッグ(ドクターバックともいう)、ビジネスバッグなどを製造している。
同社のホームページによると総手縫いアタッシェケースの価格は110万円、ダレスバッグ、ビジネスバッグはともに23万1000円と高級だ。こうした製品の開発力を活用し両社で技術交流や共同開発などに取り組み事業領域を拡大する。
大峽製鞄は1935年に大峽商店として創業、1949年に大峽鞄製作所を設立し、1953年に大峽製鞄に改組した。2001年に大峽製鞄のオリジナルブランドの生産を始め、2011年にはイタリアのメンズファッション展示会に出展した。
一方、エースは1940 年の創業で、旅行バッグ、スーツケース、ビジネスバッグ、スポーツバッグ、ファッションバッグなどを手がけており、2018年度の連結売上高は329 億円。
1953年にナイロンを生地にしたカラフルで軽く丈夫な革新的なバッグを開発。これがすべてのエースの原点となっている。
伝統技術と革新技術の融合はどのような効果を生み出すだろうか。ビジネスの世界が楽しくなるような次世代の製品が登場する日は遠くないかもしれない。
文:M&A Online編集部
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