使いようでは「燃費がいい」ロータリー

 ターボチャージャーの廃止などで前モデルの「RX-7」よりも燃費を改善して、当時経営権を握っていた米フォード・モーターに量産を認めさせた「RX-8」ですら実用燃費は7km/l前後。発売された2003年当時でも燃費は良くなかった。3ローターの「ユーノスコスモ」に至っては2km/l前後と、ユーザーから「ガソリンタンクに穴を開けて走っているようなもの」と酷評される始末だったという。そのロータリーをトヨタはレンジエクステンダー用とはいえ、自社のHVに搭載しようとしている。

 実はロータリーは低速域や加速時の燃費こそ悪いが、最適の回転域であればレシプロエンジンと比べても遜色がない。走行速度に関係なく一定の回転数をキープするレンジエクステンダーのような使い方であれば、燃費はさほど問題にならない。それに加えてマツダ・ノースアメリカン・オペレーションズ(北米マツダ)の毛籠勝弘社長兼CEOは「ロータリーは騒音や振動がなく小型かつ軽量なため、発電機として搭載するには最適だ」と語っている。

 すでに日産自動車<7201>はレシプロエンジンをレンジエクステンダーとするシリーズ方式HV「ノートe-POWER」を投入し、売れ行きも好調。「トヨタ一強」だったHV市場に風穴を開けている。これまでトヨタはエンジンを走行用にも使うパラレル方式やスプリット方式のHVを生産してきた。同社初となるシリーズ方式のHVにマツダのロータリーを採用するのは、次世代HVの開発費を削減する狙いもあるだろうが、トヨタが発電用エンジンとしてロータリーの優秀性を認めた画期的な判断といえる。

ノート e-POWER
日産「ノート e-POWER」のようなシリーズ方式のHVならロータリーでも燃費は稼げる