直近では15年10月、ニューヨーク証券取引所上場のHCCインシュアランス・ホールディングス(以下HCC社)の株式100%を取得した。買収価額は8980億円と、大型案件を数多く実行してきた東京海上ホールディングスにおいても超大型の案件となる。受入資産1兆2800億円、受け入れた負債が7300億円と大きく、のれん代も多額に計上された。
本件のれん代は3390億円で、15年3月期に2258億円であったのれん残高は、16年3月期に5345億円となり、倍以上となった...
2005年に三共と第一製薬が経営統合し誕生した第一三共は、売上規模約1兆円、現在国内第3位の製薬会社である。15年3月期で第10期を迎えた第一三共のこれまでのM&Aは、08年のランバクシーの買収に始まり、15年のランバクシーの売却に終わる苦難の道のりであった。それを細かく見ていく。
ITバブルとともに株価が跳ね上がり、親会社のNTTの時価総額を10兆円以上引き離し日本企業トップとなったNTTドコモ。世界市場を攻略するために海外での巨額のM&Aを行うも、ITバブルの崩壊によって、大半が失敗に終わった。その失敗を教訓に、国内M&Aによって事業の多角化を進め、一定の成功を収めているようだ。M&Aの失敗と成功を見てみる。
酒類セグメントにおける苦戦が強いられているキリンホールディングス。一方で、M&Aにより拡大してきた医薬・バイオケミカル事業の好調が目立つ。同事業は、キリングループの再生を支える柱に成り得るのか? 過去のM&Aと営業利益割合などから見てみる。