「ザ・ノース・フェイス」「鬼ころし」「スタバ」がストローで攻勢 プラごみ削減で

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紙ストロー(写真はイメージです)

プラスチックごみの削減などを目的とする「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」(プラスチック資源循環促進法案)が閣議決定されたことを受け、外食産業でプラスチックストローの廃止や生分解性ストロー導入の動きなどが再び盛り上がる気配を見せている。

登山用品のザ・ノース・フェイスなどを手がけるゴールドウイン<8111>は2021年4月下旬に直営カフェに生分解性ストローを導入するほか、日本酒メーカーの日本盛(兵庫県西宮市)は2021年3月に、紙容器入り日本酒「鬼ころし」のストローを植物由来素材に切り替えた。さらにコーヒーチェーン店のスターバックス コーヒー ジャパン(東京都品川区)は2021年4月22日に「マイストロー」などの販売に乗り出す。

同法案ではプラスチックストローなどを多く使用する事業者には、勧告、公表、命令が行われるため、施行が近づくにつれ対策を講じる企業は増えそうだ。

植物由来の素材に変更

ゴールドウインは「THE NORTH FACE STANDARD 二子玉川」(東京都世田谷区)など直営カフェを併設する5店舗で、化学メーカーのカネカ<4118>が開発した生分解性素材「グリーンプラネット」製のストローを使用する。

ゴールドウインのニュースリリースより

同素材は植物油から作られたもので、30度の海水中で、6カ月以内に90%以上が生分解されるため、マイクロプラスチックによる海洋汚染の低減に貢献できるとしている。

対象の店舗は東京都の「THE NORTH FACE 昭島アウトドアヴィレッジ」、長野県の「THE NORTH FACE GRAVITY 白馬」、北海道の「THE NORTH FACE GRAVITY NISEKO」、「THE NORTH FACE/HELLY HANSEN 知床」の合計5店舗。

日本盛のニュースリリースより

日本盛は「日本盛 鬼ころし 180ml紙容器」と「日本盛 鬼ころししぼりたて 180ml紙容器」に使用するストローを、2021年2月製造分からプラスチックにサトウキビ由来の素材を5%配合したものに切り替えた。

同社は日本酒を一升瓶などで販売していたが、2001年7月にストローで飲む紙容器タイプを投入した。

これまでも日本酒の大容量紙容器に使用する素材の変更や、化粧品外箱にサトウキビ由来の素材を採用するなどの対策に取り組んできた。

スターバックス コーヒー ジャパンのニュースリリースより

スターバックス コーヒー ジャパン は、繰り返し洗って使えるシリコーン製のマイストローと、ストローがぴったり入るケースなどを全国のスターバックス店舗(一部店舗除く)とオンラインストアで発売する。

同社は以前からマイタンブラー利用の推奨や、店内飲食時のマグカップ提供などを通し、繰り返し利用するスタイルを積極的に提案してきた。

ストローなども当たり前に再利用する未来の実現を目指して、今回の商品を投入することにした。

「まねきねこ」「ガスト」は数年前から切り替え

プラスチック製ストローの廃止の動きは数年前からある。カラオケ店「カラオケまねきねこ」「ワンカラ」などを展開するコシダカホールディングス<2157>は2018年10月に、プラスチック製ストローの使用廃止に踏み切り、紙ストローや自然分解する有機素材を使用したストローの導入を進めてきた。

ファミリーレストラン「ガスト」などを展開する、すかいらーくホールディングス<3197>も2018年12月の「ガスト」を皮切りに、「バーミヤン」「ジョナサン」などでドリンクバーに常備している使い捨てプラスチック製ストローを廃止し、トウモロコシを原料とした生分解性のバイオマスストローを提供している。

プラスチック資源循環促進法案は小売業者や飲食店などに使い捨てのスプーンやストローなどのプラスチック製品の提供の削減を求めているほか、メーカーが務めるべき環境配慮設計に関する指針や、家庭から排出されるおもちゃなどのプラスチック製品を市町村が分別収集・再商品化する仕組みなども示している。

海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題などに対応するため、プラスチックの資源循環を促進する狙いで策定された。


文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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