意外にも「渋沢栄一」冠の上場企業は一つだけ!

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渋沢倉庫の本社(東京都江東区)

NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として、今年は空前の「渋沢栄一」ブーム。近代・ニッポンにおける資本主義の父といわれる渋沢栄一(1840~1931年)は500余りの企業・団体の設立にかかわった。そんな大実業家の渋沢だが、全国で3800社を超える上場企業のうち、「渋沢」の名のつく企業はただ一つしかない。

渋沢倉庫、「栄一」邸が発祥の地

「わが国の商工業を正しく育成するためには、銀行・運送・保険などと共に倉庫業の完全な発達が不可欠だ」。東京都江東区永代2丁目、運河沿いの敷地に立つ記念碑の冒頭に刻まれている。ここが東証1部に上場する渋沢倉庫の発祥の地であり、かつて渋沢の私邸があった。

渋沢邸内に前身の渋沢倉庫部が発足したのは1897(明治30)年3月。すでに実業家としての声望を得ていた渋沢だが、自ら営業主となって渋沢家直営の事業として立ち上げた。近代的倉庫を求める産業界の要望や、銀行業務に伴う担保品を保管する施設の必要性が急速に高まっていたという時代背景がある。

1909年7月、渋沢倉庫部を株式会社に改組し、現在の渋沢倉庫が誕生した。関東大震災(1923年)の被害に伴い、隅田川を挟んでほど近い中央区茅場町に本社を移したが、2009年、実に86年ぶりに発祥の地に本社(渋沢シティプレイス永代内)を戻した。

現本社敷地内には「渋沢倉庫発祥の地」の碑のほか、江東区登録史跡「渋沢栄一宅跡」と記した案内プレートが設置されている。最寄り駅は地下鉄東西線・門前仲町駅。富岡八幡宮、深川不動尊といった参詣スポットと合わせて、足を延ばしてみたい。

コロナ禍、8年ぶり減収・3年ぶり減益へ

コロナ禍の状況下、渋沢倉庫の足元の業績はどうか。2月初めに発表した2021年3月期予想によると、売上高0.2%減の667億円、営業利益5.3%減の37億円、最終利益4.1%減の27億円。倉庫業務が伸びたものの、陸上運送業務や港湾運送業務が低調に推移し、8年ぶりの減収、3年ぶりの営業・最終減益を見込む。

倉庫業界では三井倉庫ホールディングス、三菱倉庫、住友倉庫の旧財閥系3社が大手を形成する。これに日本トランスシティ、渋沢倉庫が準大手として続く。

渋沢倉庫の筆頭株主は2008年以来、ディスカウント店「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスで、9%余りを所有する。

文:M&A Online編集部

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