モリトは1908(明治41)年に森藤寿吉が大阪市西区靭町の山野カバン店の店頭を借りて、ハトメやホックの仲買商を開業したのに始まる。
広島から大阪に出ていた森藤寿吉は、鞄、靴を扱っていた皮革製品の卸商「早野弥曽市商店」に奉公していた。ある日店主と喧嘩となり、店を飛び出してしまった。その夜、寿吉は橋の下で野宿しながら、これからどうするか一晩中考えた。
そこで目をつけたのが奉公先で扱っていた靴についていた真鍮の輪「ハトメ」だった。当時どこの店も、ハトメのような小さな部品だけを扱うことはなかった...