【M&Aその1】不採算の飲食事業を撤退

 森永製菓のM&Aは、ある程度事業体を広げた後、事業の再編を目的としたものから始まる。

 エンゼルフードシステムズは、中華イタリアンや南欧風家庭料理等のカフェ形態の店舗約90店舗を保有している売上約73億円の子会社であった。譲渡金額は3億9千万円。事業セグメントとしては「食料卸売及び飲食店事業」にあたり、この売却に伴い飲食店事業は撤退となった。

 当時の決算短信の当該セグメントを表にした。

食料品卸売及び飲食店 2004/3 2005/3 変化
外部売上高 23,536 21,205 ▲ 2,331
内部売上高 1,179 1,288 109
24,715 22,493 ▲ 2,222
営業利益 19 264 245
資産 7,776 4,921 ▲ 2,855
減価償却 199 124 ▲ 75
資本的支出 146 143 ▲ 3
単位百万円。▲は減少。決算短信より作成

 短信によれば、卸売の業績が好調であったという。これにより、本来であれば抜けたエンゼルフードシステムズの売上73億円が減収となるはずが、2005年3月期のセグメント売上高は 約212億円となり前年度の約235億円と比較すると約10%近くのみの減収で抑えることが出来た。むしろ一方で営業利益は2億6400万円と前連結会計年度に比べ2億4500万円の増益となっている点をみると、恐らく飲食事業の利益率が低迷し、卸売の高利益率の足を引っ張っていたものと推察できる。

 セグメント資産は約77億円(2004年3月期)から約49億円(2005年3月期)となっており、恐らく3億9千万円という譲渡額は、廉価での事業切り出しであったと推察できる。

 結論からするとこのM&Aはいわゆる「不採算部門の撤退」と評することができるだろう。