M&Aの相続対策、経営者が知っておきたい相続の実態と基本用語を徹底解説!

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相続税対策に悩んでいる経営者は多いだろう。特にM&Aを行い多額の売却資金が入金になった経営者の場合、相続税対策は非常に大きな問題だ。しかし、いざ相続税対策といっても相続の実情について知らなければ対策の立てようがない。

遺産分割協議の調停、年間1万6000件

2017年の死亡者数は約134万件、2017年の家庭裁判所への遺産分割協議調停申請件数は 1万6016件だった。

この2つの数字から約83件に1件の割合で家庭裁判所での調停となっているということになる。いかに相続でもめているかが分かる数字だろう。

どのくらいの相続資産でもめる?

では、遺産分割でもめるのはどのくらいの相続資産があった場合なのだろうか?

遺産分割でもめるのは約4分の3が遺産5000万円以下なのだ。少額の相続ほどもめる傾向がある。それはそうだろう、一般的なサラリーマンにとって数千万円のお金は大きい。

自宅の購入や子供の学費など最もお金がかかる時期に相続が発生するケースが多いのも一因だ。もちろん、大きな資産を遺した場合でも相続ではもめる。つまり相続資産の大小関係なく相続税対策をしっかり行う必要はあるといえるのだ。

ではどのように相続税対策を行えば良いのだろうか?

相続税対策をしっかり行うには相続にまつわる独特な用語について理解しておく必要がある。相続税対策にまつわる用語について説明をしよう。

相続用語①法定相続人・法定相続分

民法では、相続人になれる人を決めており、これを「法定相続人」という。配偶者は常に相続人となり、それ以外の人たちには優先順位があり、子、直系尊属(父母や祖父母など)、兄弟姉妹の順となっている。

・第一順位…子供(子供が亡くなった場合は孫)
・第二順位…父母
・第三順位…兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は姪甥)

民法では、法定相続人ごとの財産分割割合(法定相続分)を定めている。個の法定相続分は非常に重要なのでしっかり理解する必要があるのだ。

・第一順位…配偶者2分の1、子供2分の1
・第二順位…配偶者3分の2、直系尊属3分の1
・第三順位…配偶者4分の3、兄弟姉妹3分の1

配偶者のみ…配偶者全部

相続用語②遺留分

遺留分とは兄弟姉妹以外の法定相続人が受け取ることができる、相続財産の最低限の割合のことだ。遺留分を侵害されたもの(遺留分権利者)は遺留分減殺請求をすることができる。(遺留分を侵害され、 減殺請求しうることを知った日から 1 年か、相続開始の日から10年で時効)

各法定相続人の遺留分は以下のようになる。

相続人の組み合わせ 遺留分 各法定相続人の遺留分
配偶者と子(または孫) 2分の1 配偶者4分の1、子4分の1
配偶者と直系尊属(父母や祖父母) 2分の1 配偶者6分の2、直系尊属6分の1
配偶者と兄弟姉妹(または甥姪) 2分の1 配偶者2分の1、兄弟姉妹なし
配偶者のみ 2分の1 配偶者2分の1
子(または孫)のみ 2分の1 子2分の1
直系尊属(父母や祖父母)のみ 3分の1 直系尊属3分の1
兄弟姉妹(または甥姪)のみ なし なし


このように遺留分があるので、例えば愛人にすべてのお金を残すことはできない。被相続人の近い人の権利はしっかり守られているのだ。

相続税対策というとどうしてもテクニカルなイメージがあると思うが、まずは相続に対する基本的な用語について理解しないと適切な相続税対策をとることができない。相続にまつわる基本的な用語についてしっかり理解したい。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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