東京都は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業自粛などで業績が悪化している都内の中小企業を対象に、事業譲渡や、資金繰り、収益改善などの相談に応じる専門家を無料で派遣する。 

23区内の酒を提供する飲食店などに行ってきた午後10時までの営業時間の短縮要請を9月15日に終了したが、急激な業績回復が見込めないことから経営改善に向けて短期間で集中的な支援を実施することにした。 

帝国データバンクが全国の2万3689社を対象(有効回答企業数1万2000社=回答率50.7%)に実施した事業承継に関する調査では、今後5年以内に事業承継を行う手段としてM&A(企業の売買や事業譲渡など)に関わる可能性があるとした企業が37.2%に上っており、資金繰り、収益改善と並んで事業譲渡に関する専門家の派遣ニーズは高そうだ。

無料で1社16回まで対応 

東京都では「廃業・事業譲渡に関する相談をしたい」「コロナ感染症の影響で資金繰りが悪化しており、対策について相談したい」「事業の立て直し・収益改善に向けて複数回での継続的な経営支援を受けたい」といった内容の相談を見込む。 

2020年9月28日に東京都中小企業振興公社に事業再生特別相談窓口を設置し、専任の事業再生アドバイザーが相談に応じ、支援方針を策定したうえで専門家を派遣。1社当たりあたり16回まで無料で対応する。相談には事業再生特別相談窓口(03-3251-7885)への事前の予約が必要。 

飲食店の倒産が過去最多に 

東京商工リサーチによると、9月15日17時時点での新型コロナ関連の経営破たんは、503件に達しており、資金力の乏しい小・零細企業を中心に、新型コロナの影響による倒産は増加傾向にあるという。 

中でも飲食店の破たんは72件に達しており、2020年の飲食業の破たん件数は過去最多を更新する見込み。

文:M&A Online編集部