M&Aの相続対策、「ゼロクーポン債」を活用する

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M&Aを行い、莫大な売却資金が入ってくると多くの経営者は相続税対策を考えるだろう。相続税の最高税率は55%にも上るため、しっかりと相続税対策を行っていないと、多額な相続税を残された遺族は支払わなければならない。

しかし、M&Aを行う経営者の多くは高齢のケースが多い。高齢になるとどうしても実行できる相続税策の選択肢は狭くなる。限られた中で有効な相続税対策を行うためには、金融商品の有効活用は欠かせない。

そこで今回は、相続税対策になる金融商品としてゼロクーポン債について説明をする。ゼロクーポン債はあまり聞きなじみのある金融商品ではないかもしれないが、仕組みはさほど難しくない。

ゼロクーポン債とは

ゼロクーポン債とは、金利が全くつかない代わりに満期になったら債券価格が100%に戻る金融商品。ゼロクーポン債は一般的に金利が高い通貨や満期までの期間の長い債券の場合、購入時の価格は低い。

例えば、満期20年で高金利通貨の代表格であるトルコリラ債の場合、30%程度の債券価格で購入できる。満期まで保有すれば債券価格は100%になるので為替の影響を気にしなければかなりお得の金融商品といえるだろう。

現に富裕層を中心に債券価格が満期まで持てば100%になるゼロクーポン債を購入する投資家は非常に多い。長期運用の一環としてゼロクーポン債を考えているためだ。

資産運用としても優秀なゼロクーポン債であるが相続対策にも有効なことを皆さんはご存知だろうか。

相続が起こると、時価で評価

ゼロクーポン債は保有している間に相続が起こるとその時点での時価で評価されることになる。例えば、債券価格50%の段階で万が一のことが合った場合、50%の価格で評価されるのだ。これをうまく利用すると相続税対策になる。

つまり、相続発生時に売却せずにそのまま引き継げば、満期まで保有することによって価格は跳ね上がるのだ。この仕組みを利用することによって遺族により多くのお金を残すことができる。

もちろん、ゼロクーポン債を解約しなくても相続税を支払うことができることが条件にはなるが、より多くのお金を残すことができるゼロクーポン債を相続税対策に使うことは非常に有効であるといえるだろう。

今回は、相続税対策に利用することができる代表的な金融商品としてゼロクーポン債について説明をした。ゼロクーポン債を使った相続税対策は意外と一般的な対策で多くの人が実行している。資産運用の一環としても利用することができるゼロクーポン債は一考に値するのではないか。

文:M&A Online編集部

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