M&Aを行うと、多額の資金を手にする場合が多い。しかし、多額の資産を残して万が一のことがあると遺族に莫大な相続税がかかる。相続税は少なければ少ないほうがいい。

今回はアバートローンを利用した相続税対策について説明する。アパートローンを利用した相続税対策は一般的なものではあるが、様々なメリットがあるのでぜひ参考にしてほしい。

アパート・マンションの建築資金を銀行から借りる

アパートローンを利用した相続税対策とは、自宅以外のアパートやマンションなどの収益物件を建ててその建築資金を銀行から借りることをいう。

自宅以外のアパートやマンション建設のために借りるローンのことを一般的にアパートローンと呼ぶ。アパートローンなどの残債は、 相続の際の負債になるので相続税の圧縮につながる。

例えば、現預金の場合、 相続税の評価額は控除が一切ない。仮に1億円保有している場合、相続税の評価額は1億円のままになる。

しかし、アパートローンを利用した場合、相続税評価額からアパートローンの負債を控除することができるのだ。

評価額1億円のアパートを建設して1億円のアパートローンを組んだ場合、この物件にかかる相続税は 「0」になる。

もちろんローンを借りた場合、手元にお金が残るためこれだけでは有効な相続税対策には見えないかもしれない。

しかし、アパートローンを利用して収益物件を遺族に残すことには様々なメリットがあるのだ。

収益物件を残す2つのメリットとは

収益物件を家族に残すメリットは主に2つある。

・不動産の評価額は現金より有利になる
・安定的な収入を得ることができる

収益物件を相続させるメリットについてわかりやすく説明していこう。

不動産の評価額は現金より有利になる
不動産を相続する場合に利用されるのが路線価。路線価は、時価の7割程度の価格になることが多いので、不動産を相続する場合の評価額は時価よりは低くなることがほとんどだ。

先ほども説明をしたが現預金を相続する場合の評価額は100%で評価されるので不動産で相続する場合は現預金よりも有利になることは、大きなメリットといえるだろう。

安定的な収入を得ることができる
収益物件を遺された遺族が相続すると被相続人が受け取っていた家賃収入を引き続き遺族が受け取ることができる。

現預金の相続の場合、一括で資産を引き継ぐことになるので相続人によっては管理が難しいと不安に思う方もいるだろう。

また、多額の相続資産が入金になると銀行や証券会社が猛烈な営業をかけてくることも一般的だ。銀行や証券会社のしつこい営業により、投資に資金を注ぎ込み、多額の損失を追ってしまうことは決して珍しいことではない。

しかし、一括ではなく毎月安定的に入金になる家賃収入であれば遺族は生活設計を立てやすいだろう。配偶者だけでなく子供にも権利を与えれば子供も家賃収入を受け取ることは可能だ。

「家賃」収入を家族に残せる利点も

今回は、アパートローンを利用した相続税の節税効果について説明をした。

アパートローンは負債になるので遺産から控除することができるだけでなく、不動産の相続税評価には路線価が使われるので現預金の相続よりも有利であることは理解いただけただろう。

家賃という安定的な収益源を家族に残せるメリットも大きい。不動産を家族に残すという選択肢を検討してみてはどうだろうか。

文:M&A Online編集部